manage
--- Word DNA ---------------------------------------
ETYMOLOGY
[16th c., from Italian maneggiare “to handle, to train a horse,” & noun maneggio "handling, use, management," made up of Latin manus “hand”; ultimately from PIE Root *man- “hand.” The ending -ege was altered to the suffix -age in the 16th century. Manage was influenced in sense by French manège “horsemanship” & ménager “to use carefully or husband,” from ménage “household.”]
PIE ROOT
*man- “hand”
Latin manus
(French main / Italian mano / Spanish mano / Portuguese mão / Romanian mână / Catalan mà.)
Old English -mund. -mond “guardian, protection.” Used in personal names: Edmund, Raymond.
(Old Norse mund / German Vormund “guardian, tutor”)
Esperanto manon
FORMATION
Root: man- “hand”
Affix: -age → suffix that denotes the action, function, working, or belonging.
For example:
langue (French) “tongue” + -age = language
Cf Italian linguaggio.
DECIPHERMENT IN JAPANESE
man- + -age = manage
手+ 行い / 行う = 手の行い (手で行う)
man- は器用さ・巧みさ、力・支配力・統率力・影響力、創造性・生産性などを示すことがある。
manipulation 「巧みな操作、改ざん、触診」
manoeuvre 「操作、策略」
maneggióne (Italian) (蔑視語) 「策士、黒幕、操り人形使い」
command 「命令 (する)」
manufacture 「製造 (する)」
基本義
「扱う、操る、使いこなす、コツをつかむ、うまく (大切に / 無駄なく / 成長・発展するように / 思い通りになるように / 計って) 使う / 進める、成し遂げようとする、遂行する、間に合わせる」
・16世紀、英語に入ったときの代表的な目的語は「馬」であったので、具体的語義は「訓練する、調教する、調馬する、手なずける、扱いになれる、乗りこなす、(うまく) 手綱を取る」などであった。英語で最初期の自動詞は「(訓練する人を乗せた馬が)(乗馬学校で) 走る、訓練を受ける」などの意味であった。
・名詞 management の台頭で名詞 manage は消失。
DERIVATIVES
manage + able = manageable 「扱いやすい」
manageable + -ity = manageability 「扱いやすさ」
manageable + -ly = manageably 「扱いやすく」
un- + manageable = unmanageable 「扱いにくい」
manage + -ment = management 「扱い方、操り方」
(「店、会社」に対しては「営み、切り盛り、経営」が具体的語義)
mis- + management = mismanagement
(「経営失敗」が具体的語義)
manage + -er = manager 「扱う人」
manager + -ial = managerial 「扱う人の (やり方の)」
ENGLISH COGNATES FROM PIE ROOT *MAN-
Root: man-
Stem: mani- or manu-
based on Latin manus “hand”
manus zoological term “terminal part of the forelimb of a vertebrate, equivalent for human hand & wrist.” [19th c.]
manacle [Latin manicula, diminutive of manus.]
manège “riding school, horsemanship” [Adopted from manage, influenced by French manege (manège, now)]
manner [Old French maniere, from Latin manuarius “belonging to the hand”]
mannerism [manner + -ism.]
manual [Old French, from Latin manualis “of the hand.” The neuter form manuale was used in Classical Latin for “book cover” & in Late Latin for “book.”]
manipulation [French, from Latin manipulus “handful.” The verb form of manipulate was made by back-formation.]
man- + datum
mandate [Latin mandatum, past participle of mandare (literally) “hand-give” = “to put in hand, confide, entrust, dictate, commit, order, or command.”]
Maundy [Old French mande, from Latin mandatum novum “new commandment” from John 13:34.]
command [Old French, from Latin commandare “to command completely.”]
commando [Portuguese, from commandare.]
commend [From commandare.]
recommend [Modern Latin recommendare (re- “strongly”)]
demand [Latin demandare (de- “formally”]
remand [Late Latin remandare (re- “again, back”)]
man- + suetus
mansuetude [Old French, from Latin mansuetus (literally) “hand-accustomed” = “tame, gentle, meek.”]
mastiff [From mansuetus,]
(French) main + tenir
maintain [Old French, from Latin manu tenere (literally) “hand-hold” = “to hold by the hand.”]
mani- + cura
manicure [French, from Latin manus cura (literally) “hand care.”]
mani- + -festus
manifest [French, from Latin manifestus (literally) ”hand-struck” = “manifest, evident, obvious.” Probably influenced by Italian.]
manifesto [Italian manifesto, based on manifestus.]
mani- + coctus
manicotti [Italian, plural form of manicotto, made from Latin manus coctus (literally) “hand-cooked.”]
manu- + factum
manufacture [French, made up of Latin manufactum (literally) “hand-made”; verb manu facere “to make by hand.” Italian manifattura “factory, manufacture.”]
manu- + mittere
manumit [Latin manumittere (literally) “hand-send” = “to send out by the hand, to set free.”]
manu- + scriptus
manuscript [Latin manuscriptus (literally) “hand-written.”]
manus + operari
manoeuvre / maneuver [French, from Latin manus operari (literally) “hand-operate.”]
manure [the earliest verb sense in Middle English “to cultivate,” from Anglo-Norman French mainoverer, from the same origin of manoeuvre.]
外来語群 (PIE *man- の子孫)
マネージ
マネージャー
マネージメント
マナー
マンネリ
マンネリズム / マネリズム
マニエリスム [French maniérisme.]
マニュアル
コマンド
コマンドー
デマンド
マスティフ
メンテナンス
マニキュア / マニュキュア
マニフェスト
マ二コッティ
マニュファクチャー
-マンド / -モンド (固有名詞エドマンド、レイモンドなど)
------------------------------------ 言葉の遺伝子 ---
印欧祖語の語紺 *man- は「手」のことで、接辞 -age は動作や機能を指す。ゲルマン語派に入った語形は「~手」の接尾辞ゼロ階梯形から派生したもので、 -mund / -mond の語形を成し、意味は「守り (手)、防衛」である。英語では、例えば、固有名詞 Edmund は、 ed- が「富、宝」[ead- 「さち、福] であるから、「たからもり 宝守 / ふくもり 福守」さんということになる。
イタリア語 mano は印欧祖語 *man- の直系の子孫のひとつで (ロマンス諸語はすべて直系)、m-n- の音で数千年間ずっと「手」の意味であったが、英語の日常語の hand は *man- と音韻上噛み合ず、語根の再建には至っていないようである。ほかにも「手」を表す単語を印欧諸語の中で調べてみると、現代ギリシャ語は χέρι [古典ギリシャ語 χείρ (kheir)] で、ヒンディー語は hatha であるから、やはり、 mano とは血筋が異なる。どうして、ゲルマン人やギリシャ人やインド人は *man 「手」を忘れたのだろう? m と n は、どんな民族にとっても難しい発音ではない。また、手は、どんな生活様式を営むかに関わらず、必ず使わなければならない言葉である。手を使わない生活は考えられない。どうしてゲルマン人やギリシャ人やインド人が *man 「手」を使わなくなったのかは謎である。
しかし、語根 man- 「手」は manage や manual や manner などの形で英語に帰って来た。manage が英語になったのは十六世紀。名詞は仏語の manège の影響もあるが、イタリア語から借入されたという。語尾の -ege は -age と早々と同化したが、十七世紀にフランス語の影響で manège は区別されるようになった。manage と manège は共に「乗馬学校、馬術」の意味であったが、 前者からはその意味が失われていき、 後者は専らその意味で使われるようになっていった。-age は一般的な接辞で、ややこしいが、 menage にもあり、 manage は menage の影響で語義が多様になっていった。語義が多様になったということは、統語上様々な目的語をとるようになったということでもあり、それらに対応するような自動詞の使い方も生まれたということである。
名詞 management を使う人が増えて来ると、 manage は名詞としての機能をすっかり終えて、動詞としてのみ働くようになっていった。 manage の基本義は「扱う、操る、思い通りにする」である。
他動詞 manage は十六世紀に英語化したが、当時の代表的な目的語は「馬」であったから、「調教する、訓練する、仕込む、手なずける、扱う、手綱をとる、走らせる」などの意味であった。目的語として「武器、装置、機械」を取ると、「扱う、動かす、使いこなす」などの意味になる。動詞句 to manage arms は、字義的には「武器を使いこなす」で、「戦う、争う」の意味であった。十九世紀の詩人テニスンは『ガレスとリネット (Gareth & Lynette)』 に --- Lancelot on him urged / How best to manage horse, lance, sword and shield --- 「ラーンスロットは彼に、馬と槍と剣と盾の扱い方を極めよと促した」と書いている。
目的語「舟、ボート」は、動かすのに力とコツを要するという点で「馬」に似ている。
目的語に「事業、作業、戦争、作戦」などか来ると、成功するかどうかわからないことを苦心して「やる、営む、手がける、実施する、敢行する、遂行する、やり遂げる」などの意味になった。十七世紀には「職務 (職責) を全うする」の意味もあった。「会社」に対しては、日本語の訳語として「営む、経営する、経営陣に属する」などが当てはまる。
目的語が「家庭、組織、国家」になると、「営む、運営する、管理する」などの意味になる。目的語が「お金 (one’s money)、家計、財産、地所、財源、基金」などになると、「切り盛りする、やりくりする、節約する、管理する、上手に使う」などの意味になる。これらの具体的語義は menage の影響を色濃く反映している。
目的語が「健康、命 (one’s health or life)」になると「大切にする」になる。
目的語が「他者、他人」になると、「大切にする、無下に扱わない、配慮してもてなす、甘やかす」などの意味になる。また、「従わせる、使う、指導する」などといった意味があり、 can’t manage のフレーズは「手を焼く、扱いに困る」といった意味になることがある (例文: We can’t manage our teenaged son...「私たちは十代の息子に手を焼いている」 )。
十八世紀にポウプは訳詩『オディッセイ』で、「土地」を目的語に「耕す」の意味で manage を使っている。
なんとか「やりとげる」は、うまくいくように「目論む、企てる、計画的に行う」といった意味になった。テニスンは『祖母 (Grandmother)』に --- Her father... / Hadn’t a head to manage, and drank himself into his grave. --- 「彼女の父親には計画性がなく、酔っぱらったままお墓に入っていった」と書き遺している。
「目論む、企てる、計画する」は「やり遂げようとする」ことで、manage to do の文型を作り出した。ディケンズは『困難な時代 (Hard Times)』に --- she could manage to coax it out of him, if she chose ---「その気なら、彼女は彼からそれをうまく引き出すこともできた」と書いている。また、スティーヴンソンの『宝島 (Treasure Island)』には
--- My obvious duty was to draw as close as I could manage --- 「私の明らかなる責務は、可能な限りうまく引き寄せることであった」の用例がある。
自動詞には上記テニスンの使い方のほか、「やりくりする、管理 (経営) する、マネー