Wednesday, December 12, 2012

iPS細胞とiMac

iPS細胞 Induced Pluripotent Stem cells の和訳語入り頭字語で、純粋な日本語では誘導多能性幹細胞といい、造語したのは二〇〇六 (平成十八) 年にiPS細胞の作成に成功し、今年ノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥京大教授である。小文字の i ではじまるのは、グローバルにヒットしたアップルの iPod にあやかってのことだという。

 iPod はユーザーが自分の音楽ライブラリーを手軽に持ち運べるようにしたガジェットで、小文字の i は同社の iMac から継承して取ったものである。初代ボンダイブルーの iMac は一九九八年に発売されたが、アップル復活の狼煙となったこの商品の名称は、当初、当時のスティーブ・ジョブズ暫定社長 (interim CEO Steve Jobs) がしぶしぶ認めたものであった。というのも、ジョブズ暫定社長は、マックマン (MacMan) なる商品名を押していたからである。マックマンでは商品は売れないと社内で反発があって、最終的に iMac になったが、この i は、当時加速度的に普及し始めていた Internet の頭文字であり、想像 (imagination) i であり、個人 (individual) i であるという。もしもアップルがマックマンなる商品名でボンダイブルーのコンピュータを売り出していたら、iPS細胞の最初の文字は大文字になっていただろう。

 iPS細胞は受精卵のようにあらゆる組織の細胞を生み出す能力を有していて、難病の治療や、薬剤の特定臓器への影響を研究するのに役立つと期待されている。おそらく、移植によって治療可能な後天的な病気や脊髄損傷などの後遺症はiPS細胞の応用で将来治療可能になるだろう。
 
ACRONYM
Pakistan

商品名と一般名詞
シーチキン

スティーブ・ジョブズの言葉
Not Money But People

ノーベル賞受賞者
世界の名著 (ヘミングウェイとカミュ; ただし、言及は小説のタイトルのみ)
The Smaller, The Better (Milton Friedman)
Neoliberalist (Milton Friedman)


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