Sunday, December 16, 2012

鎬を削る

鎬を削るは「激しく争う」こと。刀の鋭く研がれた刃と反対側の棟の間の膨らんだところを鎬と呼び、両者の刀の鎬が削れるほど「激しく戦う」ことを鎬を削ると喩える。「互いに相手より優れたものになろうとする」という意味では、互いに切磋琢磨するという言い回しに似ている。

 元寇以前の日本のいくさは音の出る鏑矢を放って一騎打ちを申し出るというものであった。しかし火薬で武装した元の船団がやってくると、内戦で用いていた一騎打ちのやり方が通用しなかったので、日本も集団戦の時代に入っていったが、おそらく、一対一で刀で切り合う戦闘方法は、南北朝時代や安土桃山時代にもあったのだろう。

 英語で「争う、競う」は to compete という。激しさを表すなら to be vying for が当てはまる。
They were vying for the first school teacher to go on a NASA space shuttle mission.
彼らはNASAのスペースシャトルのミッションに参加する最初の学校の教師になろうと鎬を削っていた。
但し、 vie は刀とは関係のない言葉である。

vie
[Latin invitare "to challenge."]

参考
dog-eat-dog

刀に関する慣用句
切羽詰まる





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