言語学でこの遺伝子が注目されるのは、一九九〇年に英国のある三世代の家系において、三十人中十六人が不全失語症と診断され、その原因がFOXP2の異常と報告されたからである。症状は英語の動詞や名詞の活用を正しく使用できないというものであった。
二十世紀中葉からチョムスキーが生成文法に関する著作を発表するようになり、二十一世紀になってゲノム解析が可能となると、チョムスキーの生得論の裏付けが試みられるようになった。二十世紀後期にはこの分野における脳神経外科的な研究がはじまっていたが、現代では遺伝子のレベルでも研究が進められているのである。チョムスキーの生得論では、ヒトは普遍文法を遺伝によって引き継いでいる。
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