Friday, November 30, 2012

Brave Humanitarian

Edith Louisa Cavell  (1865-1915) is known as a martyr in World War I & also called the Mother of Modern Nursing in Belgium. After the war broke out, 1914, she served in a hospital of the Red Cross, treated wounded soldiers of both sides equally & aided the Allied soldiers in their escape from German-occupied Belgium to neutral Netherlands, for which she was arrested by the German police. She was charged with treason, & kept in solitary confinement, & pronounced guilty in their court, & finally sentenced to death by firing squad. The execution was carried out on October 12, 1915. Her motto survives still now, however:
I realize that patriotism is not enough. I must have no hatred or bitterness towards anyone.

エディス・ルイーザ・カヴェルはベルギーの看護法の近代化に貢献した人であり、第一次世界大戦の殉教者として知られている。戦争が勃発すると、赤十字の病院に勤め、両軍の負傷兵を平等に世話し、連合国軍の兵士たちをドイツ占領下のベルギーから中立のオランダに逃がす手伝いをしていたが、その為にドイツの警察に逮捕された。反逆罪で訴えられ、独房に監禁され、ドイツの裁判で有罪を宣告され、銃殺刑を言い渡された。刑が施行されたのは一九一五年十月十二日であった。それでも、彼女のモットーは今も生き続けている。
愛国心では不十分だと実感します。誰に対しても恨みや憎しみをもってはいけないのです。

Thursday, November 29, 2012

は、見てのとおり、草冠に秋と書く。この漢字は飛鳥時代の頃に作られた国字で、字形のとおり、秋に花が咲くことを表している。中国で出来たの字は「かわらよもぎ」のことで、音読みはシュウである。十一世紀末から十二世紀にかけて成立したと思われる字典『類聚名義抄(るいじゅみょうぎしょう)は「鹿鳴草」と記されている。山で牡鹿が鳴く季節になると、は花を咲かせる。古来よりは日本人に愛された花であり、『万葉集』に最も多く登場する植物である。
我がやどの萩花咲けり見に来ませいま二日 (ふたひ) だみあらば散りなむ
 これは『万葉集』巻八の一六二一の歌で、巫部麻蘇娘子 (かむなぎべのまそをとめ) が、大伴家持に宛てて送ったものだという。「うち (の庭) に萩の花が咲きました。見に来てください。二日もすると、散ってしまうでしょうから (急いでください)」と歌っている。

 萩は英語で Japanese bush clover という。

恋のことわざ集

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Wednesday, November 28, 2012

眉唾

眉唾は「真偽・真贋が疑わしいこと、信じるに値しないようなこと」を指し、眉唾な話だとか、眉唾物などと使われている。古来より狐はへんげしたり、葉っぱを小判に見せたりする術で人を騙すことがあり、騙されないようにするには、眉に唾を付けると良いとされていた。狐は眉毛の本数を素早く数えて術をかけるからだという。眉毛が唾で濡れると、狐は本数を数えられなくなり、術を使えなくなる。

 西洋には、日本以上に、狐が狡猾な役を演じる物語が数多くあり、その影響で、--- as sly as a fox ---「狐のようにずるい」や、 --- play the fox --- 「狐を演じる = ずるをして切り抜ける」などの英語の慣用句ができた。また、眉唾な薬を売り歩く行商人を --- snake oil salesman --- 「蛇油売り」という。

体の部位に関わりのある言葉
繋がっている眉毛
snake

Tuesday, November 27, 2012

は背中の色が真っ黒なので、まぐろと呼ばれるようになったという説がある。また、の赤身の刺身は足が早くすぐに真っ黒に腐るからともいう。生物学的分類では鯖や鰹と近縁である。

 英語では、そういった回遊魚をまとめて tuna と呼ぶ。 tuna はアメリカ大陸で使われるスペイン語に由来し、ラテン語の thunnus / tunnus からできている。ラテン語は学名に用いられるが、日本の近海に来るクロマグロは Thunnus orientalis 「東洋の鮪」と名付けられている。今日では、世界中の海で獲れる Thunnus 属の魚をと呼ぶ。

 tuna はマグロ族 (Thunnini) に属するマグロ属 (Thunnus)、スマ属 (Euthynnus)、カツオ属 (Katsuwonus) に属する魚のことである。群は tuna school という。日本語のツナは英語からの借入語である。

関連
シーチキン

Monday, November 26, 2012

如雨露とジャー

じょうろはボルトガル語の jarro 「水差し、瓶、甕、容器、缶、ジョッキ、カラフェ」から借用された言葉だという。 jarro には「じょうろ」の意味はないが、取手と注ぎ口はある。水を入れおく容器と注ぎ口の間の細長い首がないだけである。女性形 jarra は「瓶、甕、フラスコ」のこと。

 ポルトガルの隣の同じイベリア半島の国スペインにも jarro / jarra はあり、更にフランス語にも jarre がある。これらの単語はすべてアラビア語の jarrah 「壷、甕、焼物、土器」を語源にしている。フランス語 jarre は英語に借用され、jar ができた。jar は円筒状で広口の食べ物や飲み物を入れておく容器を指す。日本語の炊飯ジャージャーの語源であり、まとめると、じょうろジャーはもともとはアラビア語からきた言葉である。

 ポルトガル語でじょうろ regador といい、英語では watering can という。ちなみに英語で水差し jug または pitcher という。 jug は日本語のジョッキの語源である。

じょうろ
[Portuguese jarro “jar, jug, pitcher, can, carafe,” from Arabic جرة (jarrah).]

ジャー
[English jar, via French, from Arabic جرة .]

ジョッキ
{English jug.]

Sunday, November 25, 2012

たぬき

たぬきの語源は不詳だが、一説に、腕や手を覆う手貫 (たぬき) からとされる。手貫の皮で作っていたという。近代以降、毛皮を取る為に乱獲され、狸は激減したという。

 『かちかち山』などの民話に登場する狸は狡猾なので、狡猾な人をだとか狸親父という。西洋には従来、は棲息していないので、英語で狡猾な人を動物にたとえるときは、 fox 「狐」を用いる。西洋ではイソップ以来、は狡猾な生き物であり、  old fox 「じじいぎつね 」といえば、「狸親父」のことである。ただ、日本の昔話では、ちょっとお間抜けな愛嬌のあるたぬきも沢山いる。ただ、狸は畑を荒らすこともあったらしく、そのせいで人間から悪者扱いされていた。

 『かちかち山』は、おじいさんが畑にいたずらに来る狸を捕らえて、おばあさんに狸汁にしてくれと頼み、畑に仕事に戻ると、狸はおばあさんに「もう悪さはしない。お手伝いします」と言って、縄を解いてもらうが、その途端に、おばあさんを殺し、ばば汁にして、おばあさんに化け、おじいさんが帰って来ると、「狸汁」と偽って食べさせるシーンがあるが、思うに、シェイクスピア作の『タイタス・アンドロ二カス』で復讐に人肉を調理して食べさせるモティーフに似ている。タイタスはタモーラに復讐するため、タモーラの息子の肉を偽って食べさせる。愛する者の肉を偽って復讐すべき相手に食べさせるというモティーフは、広大なユーラシア大陸には、ほかにもありそうだ。

 店先に置かれるの置物は「他 (店) をぬく」で縁起物とされている。

 東アジア原産のたぬきはヨーロッパに棲息しないため、英語での呼び名はなかったが、あらいぐまに容姿が似ていてイヌ科の動物であることから raccoon dog と命名された。あらいぐまは北米・中米・西インド諸島に棲息している。 OEDraccoon dog の項目の一九七四年の引用文は日本のたぬきについて記したものである。


Saturday, November 24, 2012

たぬきそば 

たぬきは、天麩羅の具。つまり、「たねぬきの天麩羅そば」のこと。当初は胡麻油で揚げた烏賊の天麩羅がのっているそばであった。醤油の汁が黒っぽくて、真ん中に汁よりは白っぽい天麩羅があるわけだから、なんとなく狸の顔に見えたのかもしれない。また、衣が大きい割に中の烏賊は小ぶりであったともいい、食べた人はたぬきに化かされた気分だったのかもしれない、いずれにせよ、上にのせる天麩羅からはタネが完全になくなり、いわゆる「天かすそば」をたぬきそばと言うようになっていった。天かすのお店側の呼び名は揚げ玉である。

 江戸では、麺の上にごちゃごちゃのせないのを粋としていた。江戸っ子気質はシンプル・イズ・ベストで、たとえば、ねぎまは葱と鮪だけを入れて食べるのを粋とし、豆腐、春菊、椎茸などを加えるのを邪道とする。たぬきそば伊達の薄着的な江戸っ子気質を表しているといえる。江戸のそば屋は、具をけちったわけじゃあない、と言い張るだろう。

関連
小間板 (そば打ちの道具)
たぬき
食べ物に関する言葉


Friday, November 23, 2012

猿語の研究

『ことばの誕生 行動学から見た言語起源論』 (正高信男著、1991) は猿語と喃語の研究書である。リスザルやニホンザルの研究からはじまって、後半では、ヒトの一歳未満の赤ちゃんの声の意味を探っている。

 リスザルの警戒音はリスザル語の研究であると同時に、利他性の研究とも位置づけられている。捕食動物が出現した際、なぜ、自分だけ黙って逃げず、同じ種の血縁外の仲間にも伝えるのか? 結論はまだ出ていないようだが、将来の返礼を期待して恩を売っておくためではないかといった解説があった。相互的利他主義論というそうだが、言語学が人文系の学問と切っても切りはなせないのは人間語も猿語も同じなのだ。

 いちばん興味深かったのは、テキサスのニホンザルのラブコールが嵐山のニホンザルにはそう聞こえず、警戒するというところであった。猿も地理的な隔たりがあると、言葉が通じなくなってしまうのだという。

 録音・再生機材の性能に関しては記載されていないが、どうなんだろうかと思う。生物学的に見てヒトの聴覚とほかの霊長類の聴覚との差はないのだろうか。良質のスピーカーはどうかわからないが、普通一般のスピーカーでは、ヒトは生の声とスピーカーから流れてきた声を聞き分けられる。ヒトの男の場合、当然、スピーカーから聞こえて来るどこか遠くの見知らぬ女性の誘惑には心を動かさない。刺激されることはあっても、生で誘惑されるのとはまったく次元が異なる。

 読みながらメモっておいたのは、テキサスにはガラガラヘビがいるので、テキサスニホンザルにはガラガラヘビを発見したときの警戒音がある、といったことである。ガラガラヘビに噛まれて亡くなった犠牲者が出たことがあるので、その固有の警戒音が生まれたのだという。場所が異なると言葉が異なってくるのは、交流がないのみならず、それぞれの地域の事象の違いにもよるということであろう。

 この本によると、カルフォルニア工科大学の小西正一氏が鳥類の方言の研究をされたことがあり、防音室で単独で育てたミヤマシトドは自分の生まれ故郷の歌を歌えなくなることを突き止めている。また、よその地域のミヤマシトドのさえずりを聞かせていると、その歌を歌うようになる。実験結果から、ミヤマシトドには方言があり、経験的に歌を覚えていくということが示されている。

 猿に同様の実験を行うことはできないという。猿を一頭だけにして隔離すると、発狂に至り、自然な音声データがとれなくなってしまうからだという。しかし、ニホンザルにアカゲザルの子を、アカゲザルにニホンザルの子を預けて育てさせるといった交換実験は行われている。アカゲザルのある母親はニホンザルの養子を拒絶したそうだが、受け入れた方からデータはとっている。結果は、ニホンザルに育てられたアカゲザルはニホンザル語のフードコール (餌を持った飼育係を認めると発する声で、一頭が発すると同種族は合唱する) を獲得し、アカゲザルに育てられたニホンザルはアカゲザル語のフードコールを獲得したというものであった。つまり、誰から生まれたかではなく、誰に育てられたかで、使う言葉 (方言?) が決まったのである。逆から言うと、ニホンザルに育てられたアカゲザルは、アカゲザルからは同族とは見なされず、アカゲザルに育てられたニホンザルはニホンザル族とはみなされなくなってしまっているということである。

 猿語の研究のあとは、ヒトの赤ちゃんの発声の研究や論考が続く。公共言語を操るという点において、ヒトが特別な存在なのか、霊長類の仲間にすぎないのかといったことが正高信男氏の最大の関心事であった。ヒトの言葉の誕生に、「系統的にみて飛躍的な発展はなかった」と結論付けられている。

 文法や語彙以前の言語学の研究書として、『ことばの誕生』は貴重な資料である。


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Thursday, November 22, 2012

Nameless Deed

At Act 4 Scene 1 in Macbeth, the three witches are making something uncanny, throwing away into  their cauldron the following ingredients: poison’d entrails, toad, fillet of a fenny snake, eye of newt, toe of frog, wool of bat, tongue of dog, adder's fork, blind-worm's sting, lizard's leg, owlet's wing, scale of dragon, tooth of wolf, witches' mummy, maw and gulf of the ravin'd salt-sea shark, root of hemlock, liver of blaspheming Jew, gall of goat, slips of yew, nose of Turk, Tartar's lips, finger of birth-strangled babe ditch-delivered by a drab, & tiger's chaudron. When Macbeth enters & asks them, “what is’t you do?” they answer, “a deed without a name.” The list of ingredients in their cauldron can’t remain in your mind exactly, but the rhyming refrain will remain in your mind that they sing during making it:
THREE WITCHES
Double, double toil and trouble;
Fire burn and cauldron bubble.

『マクベス』第四幕第一場で、三人の魔女は、毒入りのはらわた、ひきがえる、沼の蛇の肉片、いもりの目、かえるの指、蝙蝠の毛、犬の舌、毒蛇の牙、眼無し虫の針、蜥蜴の脚、梟の子の翼、龍の鱗、狼の牙、魔女の木乃伊、怪物鮫の口と胃袋、毒人参の根っこ、神を冒涜するユダヤ人の肝臓、山羊の胆嚢、いちいのさし枝、トルコ人の鼻、韃靼人の唇、淫売が絞殺してどぶに棄てた生まれたての赤ん坊の指、虎のはらわたを大鍋に放り込んで、あやしげなものを作っている。マクベスが登場して「何をしているのか?」と尋ねると、三人の魔女は「名もなき行い」と答える。大鍋の中の材料はそのままは覚えられないが、そのあやしげなものを作っているときに魔女達が歌っている韻を踏むリフレインは心に残るだろう。
三人の魔女
増えろ倍々、苦労と面倒、
炎よ燃えろ、釜よ泡立て。
About "Life is a Joke"
Macbeth Quotes 
snake

Wednesday, November 21, 2012

胡麻すり

胡麻は、鉢に入れてすると、油を出しながら、鉢のあちこちにくっついていく。胡麻すりはその様子から生まれた表現。もともとはあちこちの人にくっついて媚びること、また、そういった人、つまり、「お調子者、八方美人」の意味であったという。今では、上司などを相手におべっかやお世辞を使うこと、または、そういったことをする人を胡麻すりと呼ぶ。
 英語の慣用句に to butter up 「バターを塗って仕上げる」といった表現があり、「へつらう、媚を売る」の意味である。日本にいる胡麻すり屋に相応する者として英語圏には apple polisher 「林檎磨き屋」がいる。英語圏の人々は不誠実な者を軽蔑する傾向があり、胡麻すりの蔑視的な呼び方は数多くある。

Tuesday, November 20, 2012

naranja

naranja (ナランハ) はスペイン語で「オレンジ」のこと。イベリア半島はアラブの支配下にあったことがあるので、アラビア語からの借用語が多い。英語の orange も元を辿れば、アラビア語に行き着くが、アラビア語からラテン語を経由して、古仏語 pomme d'orenge から英語化したもので、スペイン語とは枝が異なる。pomme d'orenge は「オレンジの木の実」のことだから、orenge は「オレンジの木」のことであった。当初、古仏語でも語頭に n- があり、 narenge のごとき語形であったが、不定冠詞 une のn音に吸収され、orenge の語形となった。外来語のオレンジは、もちろん英語から。 (ちなみに フランス語の pomme は単独で「林檎」の意味。pomme de terre 「大地の林檎 (実)」は「じゃがいも」のこと)

 オレンジはアラビア語では nāranj ( نارنج ) で、これはペルシャ語 nārang (نارنگ ) からの借用。このペルシャ語は梵語 nāraṅga (नारङ्ग) 「オレンジの木」か借用されたものだが、これ以上古い語源は不詳である。一説にはドラヴィタ語族の起源という。これは言葉とモノ (オレンジの木) が二人三脚で伝播した例のひとつである。


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Monday, November 19, 2012

Host's Manners

I think it is the British gentlemanship for the host to behave humbly at a party.
Macbeth greets gently at Act 3 Scene 4:
Macbeth
Ourselves will mingle with society,
And play the humble host.
パーティーでホストが謙虚に振る舞うのは英国紳士のたしなみなのだろう。マクベスは第三幕第四場で紳士的に挨拶する。
マクベス
我ら自身お仲間に加わり、
謙虚なもてなし役を勤めたい。
Macbeth Quotes

Thursday, November 15, 2012

Stones Move and Trees Speak

Karma may be one of the themes for Shakespeare’s Macbeth. Monotheists believe that God sees everything as the Japanese say that the sun sees everything. In other words, heaven & nature witness crime & testify against criminals. It is the universal law of mankind that a criminal must be judged for their crime. At Act 3 Scene 4, Macbeth fears that his crime will be unveiled, remembering some superstitions that nature can expose human crime:
MACBETH
It will have blood; they say, blood will have blood:
Stones have been known to move and trees to speak;
Augurs and understood relations have
By magot-pies and choughs and rooks brought forth
The secret'st man of blood.

因果応報はシェイクスピアの『マクベス』の主題のひとつにちがいない。日本人がお天道様はお見通しだというように、一神教の信者は神はすべてをお見通しだと信じている。別な言葉でいえば、天と自然は犯罪を目撃していて、犯罪者に不利な証言をするということだ。(日本には、天網恢々疎にして漏らさずということわざもある。) つみびとはその罪の故に裁かれなければならないというのは、人類の普遍の掟なのだ。第三幕第四場でマクベスは、自然が人間の犯罪を暴き出すこともあるという迷信を思い出して、自分の罪が明かされるのではないかと怯えている。

マクベス
血が流されるのだ。血が流れれば、血が流されるというではないか。
石も動くことは知られているし、木も話すという。
兆しと承知されたる関連性が、
かささぎやべにはしがらすやみやまがらすを使って、
謎に包まれた真犯人を示したこともあるのだ。

Macbeth Quotes

Wednesday, November 14, 2012

jean

jean

--- WORD DNA -------------------------------------------
Jean, Jene. Gene, Geane, etc.
Middle English proper noun “Genoa in Italy.”  The attributive form was Genoes.
geane , jene, jean, etc.
1567  noun “heavy twilled fabric made of cotton (denim) or other material, invented in Genoa.”
1802 (The form jeans was first printed in the US.)
 jeans
1843 noun “garment or trousers made of jean.” Now, applied to trousers only.

ETYMOLOGY
 [Via Old French Janne (now, Gênes), from Latin Janua (Italian Genova).]

COGNATES
Genoese adjective noun “of Genoa; people of Genoa.” [Genoa + -ese.]
Jane  noun “silver coin of Genoa.” [Middle English]

外来語
ジーンズ

和製英語
ジージャン [G [G. I. = government issue] + ジャン(パー)]
ジーパン (G [G.I..] + パンツ [pants])
 ------------------------------------------ 言葉の遺伝子 ---

jean の中英語期の語形は Jane / Jene / Gene  / Geane など様々であったが、それらはみなイタリアの都市「ジェノヴァ」を指していた。 Jane は単独で、イングランドに十四世紀に齎された「ジェノヴァ銀貨」の意味であった、中英語期の限定詞に Genoes 「ジェノヴァの」があり、現代では Genoese 「ジェノヴァっ子」になっている。接尾辞の -ese Japanese -ese と同様のものであり、漢字のなどに相応するものである。

 jean は古形 jene / geanes などであったが、現代の綴りになおすと、jean fustian で、今日の「ジーンズ地」を意味するようになったのは十六世からで、やがて、「ジェノヴァの生地」の「生地」が剥落して、Jene jane などと呼ぶようになった。当初はこれでできた衣類を jean  (語形はさまざま) ということはなく、たとえば、十七世紀には ---a new suit of olive jane ---「新しいジェノヴァ風布地のオリーブ色のスーツ」などと使っていた。 jean が「ジーンズ地の上着、スボン」を指すようになったのは、十九世紀からである。十九世紀のアメリカでは -s が追加され、 jeans ができた。これは パンツ (pants) やズボン ( trousers) が複数扱いであることからの類推でできたものである。blue-jean(s) は十九世紀中葉に出現した。

 ジーンズと十代の若者を結び付けた表現に jean-age(d) / jean-ager がある。二十世紀中葉に使われていた表現で、 teen-age(d) teen-ager の捩りである。たとえば、OED は一九五九年の『デザイン』という雑誌から --- Pony-tailed jean-agers ---「ポニーテールのジーンズの似合う十代の女の子たち」を採録し、他にも用例を列挙している。

 日本語のジーンズは外来語だが、ジーパンは和製英語である。ジーパンはおそらくG. I. Pants からできたものだろう。G. I. とは「米兵」のことだが、元を辿れば、 government issue 「政府支給」の略からできた言い回しであった。ジージャンや ジーパンジーは、G.I. G ジーンズジーの掛詞になっている。これらの表現はおそらくGHQ時代にできたものだろう。

 デニムは木綿を素材にしている。ジーンズはすべてではないが、ほとんど木綿でできている。したがって、ほとんどの場合、デニムジーンズは同義語である。


用例帳
jeans commercial.
ジーンズのコマーシャル。

Unfortunately, he was wearing those fashionable loose jeans, and the faster he ran, the quicker they dropped.
不運なことに彼は、そういったおしゃれなゆるいジーンズを履いていたので、走るのが早ければ早いほど、ずり落ちるのも早くなるのであった。

Patch old blue jeans with duct tape.
古いブルージーンズはダクトテープでパッチしておけ。

関連

Tuesday, November 13, 2012

denim

denim

--- WORD DNA -------------------------------------------
1695 noun “colored cotton fabric used for jeans, etc.; wear, trousers, etc. made of this.”

ETYMOLOGY
[Shortened form of Serge de Nim, from French serge de Nîmes. The city of Nîmes (or Nismes) in Southern France is the home of this kind of serge.]

外来語
デニム
 ------------------------------------------ 言葉の遺伝子 ---

denim は仏語の「ニームの丈夫な布地」から。 布地 (serge) であることはわかりきっていることなので抜け落ち、「ニームの」だけで呼ぶようになり一語化した。ニームは南仏の都市でデニムの故郷。ローマの円形競技場が遺る古い都市だが、織物産業で有名になったのはルネサンス以降であり、デニムは色付けした綾織りの扱い易い木綿の生地であることから世界中に普及した。

江戸いろはかるた

江戸いろはかるたのことわざ

月とすっぽん (or 月夜に釜を抜かれる)
老いては子に従え
嘘から出たまこと
鬼に金棒
安物買いの銭失い
貧乏暇なし

カルタ

月とすっぽん

月とすっぽんは、水面 (みずも) に写った満月も丸いし、すっぽんも丸いが、まったく違うものだから、「比べようがない」こと。漢語では、月鼈 (げつべつ)。類義の慣用句に雲泥の差がある。まず風流なものを先にいい、後から野暮ったいものをいうのは月とすっぽん、雲泥の差、ともに同じ。月とすっぽんは江戸いろはかるたの「つ」に割り当てられている。

 江戸後期の国学者で風俗研究家の喜多村信節 (きたむらのぶよ / ペンネーム筠庭 [いんてい],1783~1856 = 天明三年~安政三年) により記された『嬉遊笑覧』に解説がある。「月は丸きものなれど、丸と呼ぶスッポンとはいたく異なるるなり。」

 英語で類義の慣用句は、白いものを並べて比べ、 --- as different as chalk and cheese ---「チュークとチーズのように違う」という。

江戸いろはかるた
かめ、カメ、亀

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Sunday, November 11, 2012

ポルトガル語から出来た日本語

ポルトガル語から出来た日本語一覧 (日葡合作語を含む)

ウンスンカルタ
カステラ
合羽
かぼちゃ
カルタ
鶏卵素麺 [Free translation from Portuguese fios de ovos "yarns of eggs"「卵の糸」]
金平糖
如雨露
飛龍頭 (がんも)
ぴんきり
メリヤス

合羽

合羽はポルトガル語 capa から来たという。ポルトガル語では「覆うもの」であり、具体的に身につけるものとしては「キャップ、頭巾、帽子 (cap, hood)」、「ケープ、マント、羽織、上着(cape, mantle、robe, jacket)」、「ヴェール (veil)」などのことを指す。語形から察せられるように、英語の cap や cape と同源。源のラテン語 cappa は「頭巾、帽子、頭を覆うもの」の意味である。語根 cap- (仏語の訛は chap- / chef) は「頭」で、キャプテン (captain) やシェフ (chef) などの多くの単語に使われている。

金平糖

金平糖はポルトガル語の confeito から。このお菓子の作り方は十六世紀中葉に、カステラや有平糖といっしょに長崎に伝えられたという。confeito は英語の comfit confection と同様にラテン語由来の単語で、原義的には「用意されたもの、整えられたもの」である。 comfit はナッツなどに糖蜜の衣を着せたお菓子で、要するに金平糖のこと。 英語の confection はデコレーションがほどこされた「甘いお菓子類、スウィーツ (sweets)」の意味である。

 ポルトガル語 confeito は比喩的には「キス」の意味にもなる。

Friday, November 09, 2012

Advocate of the Freedom of Speech

One of the Founding Fathers Thomas Jefferson (1743-1826) was an advocate of the free press, as known with his quotation: “Were it left to me to decide whether we should have a government without newspapers, or newspapers without a government, I should not hesitate a moment to prefer the latter.” However, it is said that he retained his skeptical view to the press till the end of his life. Some people today say that the mass media can create stupid people, but Jefferson said so about 200 years ago:
The man who reads nothing at all is better educated than the man who reads nothing but newspapers.
国の建国の父であるトマス・ジェファーソンは、「新聞のない政府を取るべきか、政府のない新聞を取るべきかどちらかに決めろと迫られたら、私はためらうことなく後者を選ぶ」という名言で知られているように、自由な報道の推進者であった。その反面、ジェファーソンは生涯を通じて報道に懐疑的な見解を持っていたともいわれている。今日、マスコミは莫迦をつくると訴える人がいるが、ジェファーソンはおおよそ二百年前にはそう訴えていた。
読み物をまったく読まない人は新聞ばかり読んでいる人よりも教養がある。

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Wednesday, November 07, 2012

カステラ

カステラは、一般的には、「カスティーリャパン」を指すボルトガル語 pão de Castela  が語源とされている。室町末期にポルトガル人が長崎に伝えたというが、長崎では製法に独自のアレンジを加えている。

 カスティーリャ (スペイン語: Castilla) はスペインの一地方で中世には王国もあった。この地名はおそろくラテン語の「城、城塞 (castle, fort)」を指す castellum の複数形 castella に由来するものだろう。このようなことに思いを馳せていると、卵と小麦粉を焼いて作ったカステラは西洋の石の城壁に見えてくる。

飲食に関する言葉
伊達巻
ポルトガル語から出来た日本語

Tuesday, November 06, 2012

けりを付ける

けりは和歌や俳句で文末によく用いられる助動詞。~けり、とよんで終わることから、けりを付けるは「終わる、決着する」ことの意味になった。古語けりはそもそも、 (来) の連用形に、ありが結合されてできた助動詞で、『竹取物語』や『万葉集』の時代から、文末に置かれる終止形 (原形) の用例は無数にある。


俳句

Sunday, November 04, 2012

FOXP2

FOXP2遺伝子はヒトでいうと第七染色体上にあり、ほかの動物と比較したとき、二カ所の変異が見つかる。二カ所の変異は二十万年前に発生し、ホモサピエンス以外には、絶滅したネアンデルタール人にしか認められない。FOXP2は遺伝子の発現制御の転写因子をコード化しているという。また、FoxP2 (動物の遺伝子はヒトものと書き分けて区別する) は、マウスやコウモリにもあるという。

 言語学でこの遺伝子が注目されるのは、一九九〇年に英国のある三世代の家系において、三十人中十六人が不全失語症と診断され、その原因がFOXP2の異常と報告されたからである。症状は英語の動詞や名詞の活用を正しく使用できないというものであった。

 二十世紀中葉からチョムスキーが生成文法に関する著作を発表するようになり、二十一世紀になってゲノム解析が可能となると、チョムスキーの生得論の裏付けが試みられるようになった。二十世紀後期にはこの分野における脳神経外科的な研究がはじまっていたが、現代では遺伝子のレベルでも研究が進められているのである。チョムスキーの生得論では、ヒトは普遍文法を遺伝によって引き継いでいる。

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Friday, November 02, 2012

When The Sun Is Going Down

In the scene of Macbeth (Act 3 Scene 3) when the sun is going down, Shakespeare, through his character's mouth, expresses the sunset time metaphorically. The impressive quotation makes up the atmosphere of Europe around the Shakespearian era for us:
Now spurs the lated traveller apace
To gain the timely inn.
が沈み行く頃合いの『マクベス』のシーン (第三幕第三場) で、シェイクスピアはキャラクターの口を通じて日没時を暗示的に表現している。この印象的な文句はシェイクスピア時代前後のヨーロッパの雰囲気を醸し出している。
宿に間に合うようにと、
遅れた旅人がせかされる頃合いだな。

 PS: 殺し屋1 (1st murderer) の台詞。

Macbeth Quotes

Thursday, November 01, 2012

俳句

俳句は子規の造語。誹諧の発句を略して俳句と称する。明治二十八 (1895) 年、子規が新聞『日本』に投じた「俳諧大要」に初めて登場した。英語でも、十九世紀末の文献には haikaihokku と記されていたが、しだいに haiku という呼び名が定着していった。
 俳句は季節を感じさせる自然の風物を表現する季語が入っていることが条件の、通例、十七音節から成る世界一短い定型詩である。古典化している作品は概ね大和言葉で作られている。

棺桶はおれにぴったしだ。(子規が引用したすヒットランドのバラード0
けりを付ける (俳句から生まれた言葉)
野球 (子規ゆかりの言葉)


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