コレフォック (Catalan: correfoc) はスペインのカタルーニャ州で行われる火祭。語源はカタルーニャ語 correr 「走る、巡る (to run)」と foc 「火 (fire)」の合成。悪魔やドラゴンが火をまき散らしながら街を行進する。カトリックの守護聖人エウラリア・デ・メリダ (Santa Eulalia de Mérid. 209-304) に捧げられたお祭の最後のメインイベント。エウラリアはキリスト教徒であったが、当時、ローマは多神教の時代だったので、改宗を迫られた。しかし、彼女は改宗を拒んだので火炙りにされた。エウラリアは拷問を受ける者を守護する。
有史以前の古代人にとって、火は暖を取ったり、調理に用いられることから、便利で有り難いものであり、そして、不思議なものであった。火を用いて調理するようになって以降、食中毒は激減したはずである。また、寒さから逃れられるので、病気になる確率も減ったはずである。古代人は勿論、そういったものを統計的・観念的には把握していなかったが、感覚的には把握していたにちがいない。そして、時代が進むと、火は神聖なものと位置づけられるようになり、厄祓いに用いられるようになった。火が発する熱は、人の健康を脅かす病魔と呼ぶべき雑菌を死滅させることを現代人は知っている。古代人はバクテリアやウィルスの類を発見していなかったが、火をおこして加熱すると、食べ物が美味になり、病魔を退けられることを経験的に把握していた。つまり、火の浄化作用を知っていたのである。火の崇拝はその経験的な知識からできたものだろう。
時代が進むと、改心しない “邪心” を持った人は焼き払わねばならないとする思想が生まれ、火炙りという処刑法が考案された。改心しない人は目に見える魔物と考えられていた。
多神教時代のローマ帝国は多数のキリスト信者を殉教させたが、キリスト教が天下を取った後は、逆に異教徒・異端者を火炙りにかけることになる。
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