室町末期から安土桃山時代にかけて日本に上陸すると、カルタは様々な遊び札を指すようになった。西洋伝来のものは天正カルタ (天正は1573年から1592年まで)、百人一首を用いた歌貝をアレンジしたものは歌かるた、ことわざを用いたものはいろはかるたというようになった。江戸時代に考案された花札は花かるたといったが、賭博に使われることが多く、いうなれば、天正カルタをアレンジした “日本版トランプ” と呼べるものであった。江戸幕府は賭博を禁じていたので、胴元たちは一計を案じ、札から数値を消し去って、一年の各月を象徴する草花を描いた風流な遊び札を作り上げたのだった。
Words have their stories as men have their ones.
人に物語があるように、言葉にも物語はある。
Words fly from place to place & travel from time to time, changing their shapes & senses...
言葉は姿や意味を変えながら、国から国へと飛んでいき、時代から時代へと旅をする。
Tuesday, January 29, 2013
カルタ
カルタは、漢字では歌留多、骨牌などと書くが、ポルトガル語の carta 「トランプ、カルタ (playing card)」が語源。 carta はほかに「手紙、運転免許書、海図 (letter; driver’s license; chart)」などを意味する。要するに、文字・数字・図柄などが示されている長方形の紙 (または、紙状のもの) である。カードは英語 (card) から借入された外来語で、語形の類似から察せられるように、カルタと同源であり、ラテン語の charta / carta 「パピルス (の葉)、紙 (papyrus leaf; paper)」からできている。一二一五年にジョン王がしぶしぶ制定した王の権限に制限を設けたマグナ・カルタ (Magna Carta) はラテン語で、字義どおりには、「大きな紙 (or パピルス)」のことであり、歌留多とは血のつながりのある言葉である。ラテン語の carta / charta は、更に起源が古く、ギリシャ語の χαρτης (khartes) から借入された言葉である。古代ギリシャ人はこの言葉をエジプトのコプト語から借入したらしいのだが、明確にはわかっていない。
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