図案と数字が描かれている西洋の遊び札は、室町時代末期に ポルトガル人によって日本に持ち込まれて carta と紹介された。日本で製造された天正カルタ (天正: 1573-92) は、四種の図柄(4 suits) があり、ひとつの図柄につき一から十二までの数値 (12 ranks) が表現されていたので、一組四十八枚で構成されていた。これが花札の起源であることは間違いない。花札も一組が四十八枚で構成されている。一年の各月を象徴する十二種の草花の図柄が描かれていて、ひとつの図柄につき札は四枚ずつある。
語源が英語であることから、トランプが日本に伝わったのは、ペリー以降であろう。明治期に伝来したトランプは、室町末期に伝わったカルタとは異なるものであったが、数世紀の間に、西洋にとどまったカルタはトランプの原型へと進化し、日本に来たカルタは花札やウンスンカルタに進化した、と見ることが可能であろう。
trump が「トランプ」を意味しないことは既に書いたが、日本語へのすり替えの借入がどのような経緯でなされたのか気になるところである。
trump は triumph 「勝利、凱旋」を崩した訛とされる。
→カルタ
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