ウンスンカルタは。ボルトガル人が日本にもたらしたカルタを基にして、元禄時代 (1688年~1704年) に考案された遊び札である。天正カルタよりスートは一種類多くて五種類あり、ランクは三つ多くて十五あるから、都合一組七十五枚で構成されている。十五のランクのうち一から九までは数札であり、そのほかの六枚は絵札である。ウンスンのウンはポルトガル語の um 「一 (one, a)」から、スンの正確な語源は不明だが、ラテン語 summa (女性形) 「積み上がったもの、高くなっていること、最高、合計」、あるいは、summus (男性形) 「最高」と関係があるかもしれない。これらのラテン語は英語の sum や summit の語源である。十七世紀のポルトガル語の語彙に sum があったかどうか不明である。
江戸幕府は賭博を禁止したので、ウンスンカルタ遊びはすぐに姿を消したが、現在の熊本県人吉市 (江戸時代は人吉藩) にはウンスンカルタ遊びが遺っている。
慣用句のうんともすんともは、ウンスンカルタに由来する慣用句だという。
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