Tuesday, August 16, 2011

Nullis amor est medicabilis herbis

Nullis amor est medicabilis herbis
--- Ovid, Metamorphoses

word-for-word translation
not (no), love is medicable by herbs.

general translation
There is no cure for love.

逐語的邦訳
ない、恋、治療可能な、薬草で。
(薬で治せる恋はない。)

ラテン語の諺。オウィディウスの『変身物語 』に見い出せる。ダフネー (Daphne = 月桂樹) との恋に破れたポエブス (Phoebus = Apollo / 英語読みでは「フィーバス」 / ギリシャ名「ポイボス・アポロン = 輝けるアポロン」 ) の言葉から。アポロンは医術の神でもあるが、こう歎いている。
Hei mihi! quod nullis amor est medicabilis herbis.
Ah, me! Because love can't be cured by any herb.
ああなんたることか!薬草で治せる恋がないとは。
ラテン語は語形が格を示すので、nullisherbis は複数奪格形同士で繋がっている。

ドイツ語とフランス語にも類似する言い回しがある。
Deutsch
Wider die Liebe ist kein Kraut gewachsen.
Against love, no herb has grown.
恋の対抗するために育った薬草はない

Français
Il n’y a pas de remède contre l’amour.
There is no remedy against love.
恋に対処する治療薬はない。
日本では草津温泉の民謡『草津節』の一説が知られている。草津温泉は万病に効くというが、恋の病は治せない。
お医者さまでも草津の湯でも ドッコイショ
惚れた病は コーリャ
治りゃせぬよ チョイナチョイナ
Latet anguis in herba (herba が出て来るラテン文)
Latin Index
Tempus edax rerum (by Ovid)
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