Tuesday, August 09, 2011

奢る平家は久しからず

奢れる者久しからず

『平家物語』は次のようにはじまる。
祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響き有り
沙羅双樹の花の色
勢者必衰の理をあらはす
おごれる人も久しからず
ただ春の世の夢のごとし
たけき者も遂には滅びぬ
偏 (ひとえ) に風の前の塵に同じ
祇園精舎 (梵語: Jetavana vihara) は天竺の仏教僧院。須達 (しゅだつ / 梵語 Sudatta) 長者が舎衛城 (しゃえじょう) の南にある祇陀 (ぎだ / 梵語 Jeda) 太子の林苑を買い取って釈迦 (しゃか / 梵語 Sakya) とその教団の為に建立した。祇陀林寺。ここでは病僧がなくなると弔意を表すために鐘を鳴らす風習があった。釈迦が入滅したときは、沙羅 (さら / 梵語 sala) 双樹の花も白くなって枯れてしまった。それは、さかんであっても必ず滅びる裡 (ことわり) を示している。沙羅双樹は無常の象徴とされている。

奢れる者も久しからずに対応する英語の諺は Pride goes before a fall である。
七世紀、『西遊記』で有名な唐の玄奘三蔵が訪れたとき、祇園精舎は既に荒れ果てた廃墟だったともいわれている。インドではヒンズー教が形成するカースト制社会が確固たるものであったので、万民平等論を説く仏教が根付かなかったことは歴史的事実である。

盲目の琵琶法師が語りをつとめていたことは、小泉八雲が再話した『耳なし芳一 (The Story of Mimi-Nashi-Hoichi)』によって知られている。

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