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Monday, January 06, 2014

ピュグマリオーン

ピュグマリオーン (Pygmalion) はキュプロス島の伝説の彫刻師。

 オウィディウス (Ovid) の『変身物語 (Metamorphoses)』によると、キュプロスの彫刻師ピュグマリオーンは象牙を彫って作った美女の彫像に熱く恋していた。ほかの生身の女性には目もくれなかった。

 アプロディーテー (Aphrodite = Venus) のお祭の日に、祭壇で、ピュグマリオーンが象牙の像にキスをして、胸に触れると、冷たい唇にはぬくもりが帯びてきて、硬い象牙の膨らみには柔らかさが生じてきた。アプロディーテーは彫刻師の思いを聞き入れて、象牙の像に命を吹き込んだのだった。ピュグマリオーンはこの女性と結婚してこどもをもうけた。

 この伝説はオウィディウスの創作ではなく、更に古いキュプロス島の伝説である。この伝説は数千年間にわたって西洋の芸術家たちのインスピレーションを刺激し続けてきた。

Tuesday, August 16, 2011

Nullis amor est medicabilis herbis

Nullis amor est medicabilis herbis
--- Ovid, Metamorphoses

word-for-word translation
not (no), love is medicable by herbs.

general translation
There is no cure for love.

逐語的邦訳
ない、恋、治療可能な、薬草で。
(薬で治せる恋はない。)

ラテン語の諺。オウィディウスの『変身物語 』に見い出せる。ダフネー (Daphne = 月桂樹) との恋に破れたポエブス (Phoebus = Apollo / 英語読みでは「フィーバス」 / ギリシャ名「ポイボス・アポロン = 輝けるアポロン」 ) の言葉から。アポロンは医術の神でもあるが、こう歎いている。
Hei mihi! quod nullis amor est medicabilis herbis.
Ah, me! Because love can't be cured by any herb.
ああなんたることか!薬草で治せる恋がないとは。
ラテン語は語形が格を示すので、nullis と herbis は複数奪格形同士で繋がっている。

ドイツ語とフランス語にも類似する言い回しがある。
Deutsch
Wider die Liebe ist kein Kraut gewachsen.
Against love, no herb has grown.
恋の対抗するために育った薬草はない。

Français
Il n’y a pas de remède contre l’amour.
There is no remedy against love.
恋に対処する治療薬はない。
日本では草津温泉の民謡『草津節』の一説が知られている。草津温泉は万病に効くというが、恋の病は治せない。
お医者さまでも草津の湯でも ドッコイショ
惚れた病は コーリャ
治りゃせぬよ チョイナチョイナ
→Latet anguis in herba (herba が出て来るラテン文)
→Latin Index
→Tempus edax rerum (by Ovid)
→恋のことわざ集
→ピュグマリオーン

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変身物語
Metamorphoses
西洋の諺
世界のことわざ

Tuesday, March 08, 2011

Tempus edax rerum

Tempus edax rerum.
--- Ovid, Metamorphoses

word-for-word translation
Time, (the) devourer of (all) things.

general translation
Time is the devourer of all things.

逐語的邦訳
時、事物を貪るもの。

古代ローマの詩人オウィディウス (E. Ovid / L. Ovidius, 43 BC - 17 AD) の『変身物語 (Metamorphoses)」にある語句。この書は十五巻から成り、西暦紀元後八年に完成したが、世界の創世期からカエサルが昇天して神になるまでの数々の変身物語を描いていて、表題のフレーズは最終巻に載っている。

「時間はなんでも食い尽くす」 言い換えれば、「時間が経てばすべて失われる」

古代ローマの都市は廃墟となり、やがて朽ち果てる。地球の地殻はマントルの対流によって動いているというから、何千万年か何億年か知らないけれども、いずれ長靴型のイタリア半島も日本列島も海に沈むのかもしれない。未来のことは誰にも正確に予測できないので、ダーウィンが言うように人類も進化 (変身?) するのかどうかわからないが、数千万年も経つといわゆるホモサピエンスなどはいなくなるのだろう。太陽もあと数十億年で使える水素を使い切って、地球を飲み込むほどまでに膨張してなくなってしまうのだという。宇宙の歴史に終わりがあるのかどうか知らないが、はじまりがあるなら、終わりもあるだろう。時間はすべてを食い尽くす。これは普遍的なことを述べたうまい表現だ。

→Latin Index
→Nullis amor medicabilis herbis (by Ovid)
→ピュグマリオーン (オウィディウスが採録した神話)

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