観光の原典は『易経』にある。読み下しでは「光を観る」だが、光とは、各地の文化、産物、風物などを指していた。かつて、国の光を観る (観国之光) といえば、役人が地方の文化、制度、産物、風物などを見に行く、いわゆる「視察」のことであった。観光は日本では明治時代に使われるようになり、今では娯楽的な語義しか持たなくなった。
観光の一般的な英訳語は sightseeing であり、この sight は「目に見えるもの、視界に入るもの」を指し、具体的には「景色、名所、旧跡、風景、風物」などを指す。
英語の travel と travail は同源である。このことは、旅が難儀なものであったことを示す。一般的に旅や旅行と呼ばれるものが、楽しいものになったのは、おそらく、二十世紀以降だろう。
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