毛のない羊が馬を見ました。一頭は荷車を牽き、一頭は積荷を背負い、別の一頭は人間を乗せていました。羊が馬に言いました。「人間が馬さんを使っているのを見ると心がいたみます。」 馬が羊に言いました。「羊さん、聞いてください。羊さんには毛がないのに、人間が羊さんの毛で作った温かい着物を着ているのを見ると心がいたみます。」 これを聞くと羊は平原に逃げていきました。
このストーリーは時代考証に沿って書かれている。つまり、印欧祖語を話していた人々は、馬を使役に用い、羊の毛を刈って着る物を作っていたのである。
シュライヒェル が物質的にはともかく、精神的にはどこまで考察できていたのかはかなり気になるところである。というのも、シュライヒェルの書いたストーリーはリベラルである。人間が自分を客観視し、登場する動物はお互いを思いやっている。十九世紀のヨーロッパの学者がこのような物の見方をしていても驚くことはない。しかし、シュライヒェルの想像どおりだとすると、数千年前からリベラルな物の見方はあったことになる。
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