Tuesday, May 08, 2012

ユリス

デュッセウスはフランス語ではユリス (Ulysse) という。ルーマニアで生まれフランスに移住した詩人バンジャマン・フォンダーヌ (Benjamin Fondane, 1898-1944) は、一九三三年に『ユリス』と題する長編詩を発表した。一九二二年に本になったジョイスの『ユリシーズ』の影響があるのかどうかは不明だが、フォンダーヌはさまよえるユダヤ人をオデュッセウスになぞられている。ジョイスも流浪の人であったが、ユダヤ人ではなかった。それに対してフォンダーヌは自分自身がユダヤ人であった。オデュッセウスは故郷 (home) の島イタカに、ジョイスのユリシーズ、即ち、レオポルド・ブルームもイタカとも呼べる妻の待つ自分のうち (home) に帰ることがてきたが、フォンダーヌは故郷ルーマニアには戻れなかった。ナチと呼ばれるドイツの怪物に捕まり、アウシュビッツの毒ガス室に送られてしまったからである。

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