Friday, June 24, 2011

tsunami

tsunami

--- Word DNA ---------------------------------------
1896 "a series of big sea waves mostly generated by an earthquake that often sweeps over the coast at high speed." Also used in a figurative sense: "sudden big wave, movement, etc."

FORMATION
From Japanese (津波 / 津浪): tsu "harbor" & nami "wave."
Other expressions: 海立 / 震汐 / 海嘯
------------------------------------ 言葉の遺伝子 ---

 英国と日本は島国という点で共通なのに、英国では地震が少ないのだろう。細かい活断層は別として、ブリテン島は地殻のプレートとプレートの境界から離れていて、ユーラシアプレートの上にどっしりとのっているから、めったなことでは大きな地震は来ないように思える。
 それに引き替え我が日本列島は北米、フィリピン海、ユーラシアの三プレートの上にのっている状態で、もし仮にプレートとプレートが離れたら、本州が割れるような状態にあり、更に加えて、太平洋沖には太平洋プレートとの境界線が長々とある。
 また、津波は地形が入り組んで海が狭くなっている陸地の近くでは、勢いと高さを増す。三陸のリアス式海岸はまさにその形を成している。津波では、はるか沖合に出ている船が無傷であることもあるが、港 (= 津) にある船は、陸の方へ流され破壊されてしまう。おそらくかなり昔から、日本人は地震のあとのこの手の波を他の自然現象に由来する波と区別して怖れていたのだろう。
 地質学的相違点は日英両民族の言語の語彙にも影響を与えた。日本語の「津浪」は慶長十六年 (一六一一年) に記された慶長三陸地震に関する記述に最古の用例があるのに対して、英語は独自に対応する単語を有していなかった。日本の最古の用例から数百年後の十九世紀後半になって、地震や海底の擾乱が津波を引き起こすことが解明されたらしく、その頃から、tidal wave で津波を指す用法が出現する。 tidal wave の原義は「潮汐波」である。
 海嘯 (かいしょう) は中国から来た言葉であるが、 tidal wave と似ている点がある。嘯の字には「なく、ほえる」の意味があり、海嘯は「うみなり」を指す。海鳴りとは波の砕け散る音。また海嘯は、潮が満ちて海の波が垂直に高まり、川を逆流していく現象のことも指す。中国では銭塘江 (セントウコウ) という川で見られるという。「津波」の意味を有するようになったは、tidal wave がその意味を持つようになったのとほぼ同じ時代の十九世紀後期で、その意味を与えたのは日本人だともいわれている。現代中国語の海嘯 (haixiao) は「津波」のことも指す。
 OED 第二版は、一八九七年に出版された小泉八雲 (Lafcadio Hearn) の『仏の畠の落ち穂 (Gleanings of Buddha-Fields)』が初出だとしているが、『ナショナルジオグラフィック』はその一年前に、明治三陸地震を報告する記事の中で tsunami を使っている。書いたのは親日家の地理学者シドモア (Eliza Ruhamah Scidmore) である。

http://ngm.nationalgeographic.com/1896/09/japan-tsunami/scidmore-text

 学会では地震由来の波を tidal wave で呼ぶのは誤用と考えられるようになり、二十世紀初頭には seismic sea-wave という学術用語が考案された。seismic はギリシャ語由来の単語で、「地震による」といった意味である。また、論文に tsunami / tunami を使う人が出てきて、徐々にひろまっていった。
 一九四六年、ハワイが津波に襲われたとき、地元の日系人が tsunami と呼び、その言葉が地元紙に採用され、多くの人に知られるようになった。この津波から三年後の一九四九年には、太平洋津波警報センター (Pacific Tsunami Warning Center) が設立された。
 一九六八年、海洋学者のドーン (Van Dorn) が、tsunami を正式に学術用語にしようと提案して承認された。tsunami は正式に英語としても国際語としても認知されるようになった。

Tsunami: Deadly Wall of Water
津波 - 死をもたらす水の壁

Caribbean tsunami hazard.
カリブ海で津波を引き起こすかもしれない危険なもの。

A tsunami wave travels rapidly (up to 500 miles per hour).
津波の一波は猛スピード (時速800kmに達することも) でやってくる。

Scientists can predict tsunamis before they reach the shore.
専門家は岸に辿り着く前に津波を予測できる。

 tsunami は比喩的にも用いられている。

A tsunami of people washed away the government of Bolivia. The poor were sick and tired. Everything had been privatized, even the rainwater.
人の波が押し寄せてボリビア政府を洗い流した。貧しき者は病んで疲れ切っていた。何もかも、雨水までもが、民営化されてしまっていたのだ。
 
Economic tsunami: China's car industry will sweep away western car makers
経済の大いなる波 -- 中国の自動車産業が西洋の自動車メーカーを払いのける。

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