藪医者は下手な医者。かつて田舎の医者は藪医者と呼ばれていた。田舎の医者は大して当てにならなかったのだろう。藪と田舎の関係は、正月とお盆に奉公人が暇を出されて実家に帰省する藪入りなる言葉にも見出だせる。田舎者は野夫、あるいは、藪者とも呼ばれていた。人をあざけったり、親しみを込めて呼ぶときに用いる野郎はこの系列に入る言葉だろう。
藪医者はさかのぼると野巫からできた言葉だといわれている。や (野) は「いなか」で、ふ (巫) は巫医、即ち、加持祈祷で患者を治療する者をいった。
藪医者はさかのぼると野巫からできた言葉だといわれている。や (野) は「いなか」で、ふ (巫) は巫医、即ち、加持祈祷で患者を治療する者をいった。
今日の医学は科学であるが、かつての医術は宗教であった。
英語で藪医者 (= いんちき医者) は quack (doctor) という。quack はオランダ語由来の言葉で「くだらないおしゃべり、無駄話、油売り」の意味である。
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