サウスポー (southpaw) は「左利き、左打ち
(のボクサー
)、左投げ
(の投手
)」のことである。野球の「左腕投手」が語源であるとされている。野球場はセンター=セカンド=ピッチャーズ・マウンドの方向が東北東に造られているのが望ましいとされている。このように造られた球場では、バッターから見て敵チームのピッチャーは大雑把にいって東の方向にいることになる (厳密には東北東)。ピッチャーがバッターを向いたとき、その左手は一塁の方向、つまり、だいたい南の方角になる。
paw は動物の「足」のこと。たとえば、猫の足 (手) は paw という。paw が軽蔑語として、あるいは、冗句語として人間の「手」を指すようになったのは十七世紀初頭から。もっとも当初、 paw が人間の「手」を指すときは、不器用さをほのめかすものであった。
paw は、動詞では、動物が「(爪を出して) 手を出す、ちょっかいを出す、攻撃する」などの意味があり、それが名詞化して「ちょかい、パンチ」などの意味になった。この用法はサウスポーのボクシング用語につながる。
日本語では、人間と同様に、動物にも「手」や「足」はあるが、 paw のような特有の呼び名のものはない。
southpaw
noun “left-handed pitcher, or boxer; left-hander, left-handed person; pitch, punch, etc. with the left hand.”
[19th century, originally US baseball colloquial usage. The line from home base through the pitcher's plate to second base runs east-northeast (nearly east) in the standard MLB ball parks, which have been built according to the rule. The left hand of a southpaw faces first base or nearly south. Paw's jocular or contemptuous sense “human hand” was made up in the 17th century.]