rhapsody
十六世紀の英語初出例の意味は「一度に朗誦するのに適した形式の詩歌 (an epic poem weaven to be suitable for recitation at one time)」である。ギリシャ語の「縫う (rhaptein)」と「歌 (oide)」の合成語。古代ギリシャでは、叙事詩の「読誦する人、歌い手」を指す語から発展してきたものである。
rhaptein の原語は *wrapye- で、リトアニア語の「ふるわす、ふるえる (virpeti)」や「まわす、まわる (verpti)」と同系であり、これらの単語は印欧祖語の「まげる、まがる (*werp-)」に由来している。日本語でも歌い方を表現するときには、「節をまわす」 といったり、「声をふるわせる」というから、発想が似ている。
ギリシャ語をラテン語に借入したのは、キケロの友人であったローマ人伝記作家ネポースであり、直接的にはホメロスの『イリアス』と『オデュッセイア』を指して、「ラプソーディア」と表現した。
英意「熱狂的な表現・言辞 (enthusiastic or extravagant express or speech)」は十七世紀からで、「カバラ的散文による熱狂詩 (a rhapsody in cabbalistic prose)」などと使う。この意味が成立したのは、おそらく、詩を朗誦したり、本を朗読したりする人がときに感情移入しすぎていて、はたから見ればおかしいからであろう。
クラシック用語「狂詩曲 (a musical composition based on the national folk melodies or extravagant tunefulness)」は、十九世紀初出で、「ルーマニア狂詩曲 (Rumanian Rhapsody)」、「リストのハンガリー狂詩曲 (a Liszt Hungerian Rhapsody)」などと用いる。この意味は「熱狂的言辞」を音楽の題目に転注したものである。
rhapsody
[16th c., borrowed from Latin rhapsodia, which had been first recorded in reference to Iliad and Odyssey in a biography of Homer by Cornelius Nepos (1st c. BC); borrowed from Greek rhapsoidia "verse composition," a derivative of rhapsoidos "reciter," made of rhaptein "to stitch" & oide "song." The sense "enthusiastic express" appeared in the 17th c. that might have been formed in association with the sense "enthusiastic recitation of poems or stories." Rhapsody for a music title, which appeared in the 19th c., is a derivative use. Learn more at ode]
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