dragon’s teeth
~ Word DNA ~~~~~~~~~
WORD HISTORY
I [1644, first printed in Areopagitica (A Speech for the Liberty of Unlicensed Printing to the Parliament of England) by Milton.]
“seeds of rebellion, revenge, retaliation, or disorder, which one sows unknowingly.”
II [1943, military slang; from the imagined form of dragon’s teeth.]
“set of concrete anti-tank obstacles.”
FORMATION
dragon’s + teeth
In Greek mythology, when Cadmus slew the dragon, the guardian of the spring in Boeotia, the voice of Athena was heard that said, “Sow the dragon’s teeth…” When the Phoenician prince did it, completely armed soldiers sprang out of earth one after another & attacked the sower.
From this legend, the phrase sow dragon’s teeth means to “unexpectedly give revenge a chance; unknowingly make conflict, strife, etc..”
According to OED, sow the dragon’s teeth was first printed in 1853.
DECIPHERMENT IN JAPANESE
「龍の歯、龍の牙」: まく人が気付かずにまく反乱・報復・混乱の種。
用例
Philistines sowed dragon’s teeth when they took Samson, bound him and put out his eyes...
~~~~~~~~ 言葉の遺伝子 ~
龍の歯の英語の初出例は一六四四年に刊行されたミルトン作の『アレオパジティカ (国会の承認なしに印刷する自由についての弁論)』に見出せる。
ギリシャ伝説のカドモスの龍退治から、ミルトンは龍の歯を拾ってきたのだった。ミルトンによると、政治が出版の自由を弾圧すると、龍の歯がまかれて、武装した兵を湧き上がらせる機会になりうると説いた。
カドモスの龍退治は以下の様な物語である。
カドモスは、妹エウロパ (Europa) をゼウス (Zeus) に誘拐されたため、父親のフェニキア王アゲーノール (Agenor) の命令により、妹を救うべく、世の中を津々浦々探しまわったが、見つからなかった。救出できないなら帰国するなと厳命されていたので、カドモスは、今後の身のふるまい方をデルファイ (Delphi) のアポローンの神託に尋ねた。
神託に従って、カドモスの一行がボイオーティア (Boeotia) の戦争の神アレース (Ares) の森にやってくると、水を汲みに行った部下たちは泉の主であるドラコン (りゅう、または、おろち) に猛毒を吹きかけられたり、締め付けられたりして、皆殺しにされた。一人生き残っていたカドモスは孤軍奮闘の末、ドラコンを退治した
ドラコンが倒れると、知恵の女神アテーナイ (Athena) の声が聞こえてきた。「龍の歯を大地にまきなさい」と言う。言われたとおりにすると、大地から次々と武装した兵が生えてきて、まいたカドモスに襲いかかってきた。
この話には続きもあるのだが、このエピソードから、龍の歯は「反乱・報復・混乱の種」の意味となり、成句「龍の歯をまく」は「気づかないで復讐の機会を与える、知らずに衝突や争いをまねく」などの意味となった。
ちなみに、伝説のつづきはこうである。
カドモスは襲いかかられて困惑したが、宝石 (ただの石とする説も) を兵士たちの中に投げ入れると、兵たちは奪い合いをはじめ、同士討ちをして次々に死んでいった。もし宝石を投げ入れることに気づかなかったら、カドモスは殺されていただろう。ところで、龍の牙の兵たちは最強の五人になると、殺し合いをやめて、カドモスの家来になることを誓った。カドモスは彼らと共にテーバイ (Thebes) の都を建てた。
ギリシャに文字をもたらしたのは、フェニキア人のカドモスであるともいわれている。都市と文字は文明の象徴であり、龍は荒ぶる自然の象徴である。
二十世紀になると、戦車が発明されて、その進行を食い止める手立てが必要となった。第二次大戦中、英国軍はドイツ軍の戦車による侵略に備えて、高さ三乃至四フィートのピラミッド型のコンクリートの塊を並べたが、この障害物は龍の歯と呼ばれていた。
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