小説
小説は坪内逍遙の訳語。逍遙の意図は戯作や稗史 (はいし = 民間に取材して書いた歴史書。作り事も多いので、後に「作り話」の意味となった) とは異なる新しい文学の創成を目指したもの。逍遙が西洋の文学を意識していたことは言うまでもない。
中国では、伝統的に巷間の「作り話」の意味であった。最古の用例は『荘子』外物篇三にある小説を飾りて以て県令を干 (おか) す (飾小説以干縣令) というフレーズである。県令とは県の長官で、あまり妥当なたとえとは思わないが、今の日本に当てはめると、県知事ということになろう。干すはこの場合、求めること。「口八丁で県知事になろうとする」といったような意味になる。小説はおべっかやゴシップと類義語であった。
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