Sunday, September 25, 2016

mead

mead

mead の最頻出語義は「蜂蜜酒」
蜂蜜酒は人類が最初に
醸造したお酒といわれている。

蜂蜜は紀元前四五〇〇年から三〇〇〇年の
時期には言葉と共に広く伝搬していた
といわれている。紀元前ニ〇〇〇年頃の
バビロニアでは、ビールとともに
蜂蜜酒の醸造法が確立されていた。

天然の蜂蜜には酵母が棲んでいるので
水を加えるだけで発酵する。
自然界にあっては、
雨水が混ざっていないものが蜂蜜、
雨水が混ざってうまく発酵したものが蜂蜜酒、
ということになり、印欧祖語を話していた人々は
どちらも同じ単語で呼んでいたとされる。
(今日、市販品の殺菌済み蜂蜜では発酵しない。)

mead の血縁語は、梵語、トカラ語B
スラブ語派、ゲルマン語派、バルト語派、
ケルト語派、古典ギリシャ語といった
印欧諸語に多数見つかるが、
そればかりではなく、トカラ語B
古代中国語 mit () になったのだという。
もしそうだとすると、日本語のみつも、
漢語由来だから、同源ということになる。
の現代中国音はで、
「とろとろした甘いもの」を指す。

漢字のは虫以外の部位が
音を表すとともに、閉じたところ
(この場合は養蜂家の巣箱)
(花のみつを) あつめることで、
虫はこの字の場合「みつばち」だから、
会意的形声文字といえる。

紀元前一七〇〇年頃から紀元前五〇〇年頃の
ヴェーダ時代のインドの
梵語で mádhu は「蜜、蜂蜜酒」のことで、
形容詞扱いでは「甘い」の意味。

西洋最古の蜂蜜酒は
シュトゥットガルト近くの
(Stuttgart)
ホッホドルフというところにある
(Hochdorf)
王墓の遺跡から出土した
青銅の大釜に入っていたものだという。
この墓は紀元前五ニ五年頃のもので、
大釜には多種多様な花粉と蜜蝋が入っていたが、
この塊は当初、蜂蜜、乃至、蜂蜜酒であった、
と考えられている。

血縁の古典ギリシャ語は µέθυ
「ワイン」を指し、
アメジスト、メタン、メチル、メチレン
を構成する要素になっている。

プリニウスの『博物記』には、
西暦一世紀頃の蜂蜜酒の作り方が書いてあり、
それによると、蜂蜜に雨水を
一対三の割合で混ぜて、
犬星 (シリウス) が昇る季節 (真夏)
四十日間天日に当てて作られていた、のだという。

北欧神話では、賢者クヴァシルの
(Kvasir)
血と蜂蜜を混ぜて作ったお酒は
飲む者を詩人にする。また、
詩歌を比喩で「クヴァシルの血」という。

mead
Old English, found in Beowulf; “alcoholic beverage crafted by fermenting honey with water; honey beer, honey wine.” Mead is said to be the world’s oldest alcoholic drink. According to Pliny’s Naturalis Historia in the 1st century AD, mead was made from honey and rain water in the proportion of one to three, kept in the sun for forty days at the Rising of the Dog Star.
   PIE *médhu “honey, mead.”
   Tokara B mit “honey,” which is also thought as the source of Chinese mi ()
   Sanskrit mádhu “honey, mead, sweet drink.”
   Ancient Greek µέθυ “wine”
   Old Norse mjǫdhr
  
Old Irish mid
  
Old Church Slavic мєдъ “honey”
  
Lithuanian medus “honey”



➡️amethyst
➡️ methylene
➡️飲食物に関する言葉

➡️クルガン仮説


Friday, September 23, 2016

木乃伊取りが木乃伊になる

木乃伊取りが木乃伊になる

エジプト発祥 (3200 BC ?) のミイラは
作る際に、蜂蜜を防腐剤に用いる。
中世の中国人はそうしてできた木乃伊を
蜜人と称し、不老不死の薬になるだとか、
骨折を治す薬になる、と考えていた。
しかし、蜜人があるのははるか西方だから、
取りにいっても無事に帰れないことがあった。
そこでできたことわざが、
ミイラ取りがミイラになる。
探し求めているうちに、
いつの間にか、探される側になる。
探求しているうちに、いつしか、
自分がその色に染まる。
そういった状況を指す。

英語の類似のことわざは、
He goes out for wool & comes home shorn.
羊毛を刈りにいって、つるっぱげにされて帰る。

日本語のミイラはポルトガル語の mirra から。

英語 mummy はアラビア語 mum 「蜜蝋」から。

かつての英国人の中にも、
mummy
には薬効成分がある、
と考える人々がいた。

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Proverb Data

ことわざ
木乃伊取りが木乃伊になる。

Literal Translation
A mummy hunter has become a mummy.

Similar English Saying
He goes out for wool & comes home shorn.
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Wednesday, September 21, 2016

methylene

methylene 

methylene は「メチレン()
メチレン基は化学では -CH2- / =CH2 と表す。
命名者は十九世紀フランスの化学者
デュマとペリゴー。
二人はギリシャ語の
「ワイン」と「木」を組み合わせて造語した。
二人が造語に込めた思いは
「木の蒸留酒、または、ワイン」

メチレン基は遊離した状態で存在しないが、
様々な物質の中に見出せる。例えば、
メタン (CH4) はメチレン基に
水素原子二個が結合したもの

言語的にも血縁のメチル CH3

methylene
In the 19th century, “
hypothetical hydrocarbon base (CH2).” This chemical group is not found in the free state, but known in many compounds. The name was coined by combining two Greek words µέθυ (methy) “wine” & ὕλη (yle) “wood.” by two French chemists Jean Baptiste André Dumas (1800-84) & Eugène-Melchior Péligot (1811-90). In their essay Ann de Chimie et de physique, they explain its etymological meaning as “wine or spirits of wood (vin ou liqueur spiritueuse du bois.”)
     The word methylene is cognate with methyl & methane.
     PIE *médhu “honey, mead”; this is the source of mead.




➡ mead

Tuesday, September 20, 2016

amethyst

amethyst

amethyst は「紫水晶、アメジスト」
紫色の宝石で、二月の誕生石。
語源はギリシャ語「酔わず」から。
a-
は否定辞で、
-methyst
は「酔っている」

古典ギリシャ語 methy 「ワイン」は
印欧祖語 *medhu 「蜂蜜、蜂蜜酒」から。
この祖語は mead の語源。

話は言い伝えによって様々だが、
ギリシャ神話のアメシストは、
ディオニューソスに恋される、あるいは、
この酒の神に襲われる娘。

恋される方の話はこうだ。

ディオニューソスは酒を飲んで
日々きままに暮らしていたが、あるとき、
アルテミスの社の巫女のアメシストに恋をした。
処女の月の女神は嫉妬してアメシストを
白い石にしてしまった。ディオニューソスは
石になってしまった娘を哀れんで、
葡萄酒色の涙をはらはらと流した。
涙は頬を伝って流れ落ち、石に滴り落ちた。
石の色はみるみる赤くなっていった。

古代のローマ人は、紫水晶で
盃を作って酒を酌み交わした。
その器で飲めば、悪酔いしない、
と彼らは信じていた。

中世のヨーロッパでは奥さま方に
御守として人気であった。
アメジストを身に着けておくと、
亭主の悪酔いがなくなり、その結果、
殴られることもなくなる、
と信じていたためである。

いつの頃からか、「酒に酔わない」が、
「恋にも酔わない」になった。
この石を身に着けていれば、
我を忘れて熱中することはないから、
不倫もありえないこととなった。
いつしかこの石は深い愛の印となった。

amethyst
Middle English, “purple or violet quartz considered as a gem; color of this stone,“ from Latin, from Ancient Greek ἀµέθυστος (ἀ- “not” + -µέθυστος “intoxicated,” verbal adjective of µεθύσκειν “to intoxicate,” made up of µέθυ “wine.”)
     PIE *médhu “honey, mead”; this is the source of mead.

     The amethyst was believed to have the magic power in the Ancient & Middle Ages of the Western countries, that could save a drinker’s soul. Amethyst items such as a cup, amulet, earring, etc. were considered to keep out of intoxication. Now, this gem is the birthstone of February & the symbol of deep love.

mead


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