Wednesday, September 29, 2021

green

 green

植物の芽吹いた茎や葉の色 = 草色 = 緑

緑地。(特定化: 公園 / ゴルフ場のグリーン)

緑のもの (特定化: 牧草 / 青物野菜 / ドル札・お金)

(青々しているさまから) 若い、自然のままの、手つかずの、うまく利用するには処理が必要な、時間が経過すると完成する、エネルギッシュな。

未熟な、未完成の、未経験な。

若々しい、達者な、矍鑠とした。

(信号から) 安全・許可。

(自然を想起させることから) 環境保護派の、環境にやさしい、再生可能の。



~~~ WORD DNA ~~~~~~~~~~


PIE 

ghrē- “to grow, become green.”

(English descendants: grow, grass, graze “to eat grass,”  & green)


PROTO GERMANIC 

*grōnjaz, “green.”


COGNATES

Dutch (via Middle Dutch from Germanic)

groen “green.”

groente “vegetable, greens.”


  • Middle Dutch 

groene , groen , grone , grune “green, fresh, youthful, inexperienced; (of food) raw, untreated.” 

groene , groen , grone , grune (noun) “green, greenness, greenery, verdure, grassy ground, vegetables, greens, green fabric.”


Frisian (via Old Frisian from Germanic)

grien 

  • Old Frisian

grēne , grēn “green, fresh.”

 

German (via Old High German from Germanic)

grün “green, verdant, leafy.”

Grün (noun) “green, greenery, verdure, greenness.”

 

Icelandic (via Old Icelandic & Old Norse from Germanic)

grænn “green.”

  • Old Icelandic

grœnn “green, the color of vegetables, grass, leaves of trees, etc.; fresh, hopeful, good.)

 

Swedish 

grön “green, grassy, leafy; fresh; immature, breast-sucking.”

  • Old Swedish gröngrass-green; fresh; new.”

 

Danish 

grøn

  •  Old Danish grøn “green, fresh.”

 

ENGLISH HISTORY

 

In modern identification methods, a wavelength range of light between 500 to 575 nm is seen green to the human eye, & modern scientists have found out that green is the color of chlorophyll in cells of plants.

 

In the Old English era, etymologists explain, the word grene (= green) inherited from Germanic the senses of:

the color of stalks, leaves of plants or trees, 

a single young (evergreen) tree or herb,

Greenery (grassy field,)

something of that color (i.e. emerald, green plumage,)

or something whose part is green (some species of animals or birds,)

 

Ancient Germanic peoples associated the color of vegetation with the state of being young, new, fresh,flourishing, & vigorous. The adjective sense of “raw or necessary to cook for eating” is now obsolete, but the sense “necessary to process more for using” has been developing & it is widely used in Present English (e.g. 

green timber = timber that has not dried enough...

green wine = wine that has not been aged...

green concrete = concrete that has not thoroughly dried...

green hide = animal skin that has not tanned…

green linen = unbleached linen…

green prose = prose that is necessary to be written more neatly.)

 

Other senses of the noun & adjective have been developed in Middle English & later times.

 

Green is corresponding to the words verdant & verdure of Latin origin, & the technical term element Choloro- of Greek origin in the Indo-European family of languages. Both Latin viridis & Greek khloros mean green in color, but green & Germanic cognates akin to green didn’t express “pale of one’s face because of illness, jealousy, etc.” in ancient times. In Middle English, green got that complexion sense.

 

In the early 17th century, greens appeared that meant “leafy vegetables for animals” at first, & about 100 years later, the new sense “leafy vegetables for food” came up.


~~~~~~~~~ 言葉の遺伝子 ~~~


Green は印欧祖語 *ghre- 「そだつ・そだてる・のびる・のばす・(大地が) 緑になる」から。この印欧祖語からできた英単語は green、 grass 、 grow 、graze などである。 green は草の葉や茎、樹木の葉の色を表し、 grass は植物そのもの、 grow はその成長するさま、graze は伸びてくる牧草を食べることで、すべて草や葉と関係がある。

 

green で表現される色は現代では、波長500から575nmの光で、スペクトラムでは青と黄色の間と定義されている。古代人は葉緑素を知らなかったが、現代的に解釈すれば、「葉緑素の色、あるいは、それに類似する色」といっていいのかもしれないが、人間は縦横無尽に想像力を働かせるから、green は色ばかりではなく、植物の性質を汲み取った様々な語義を醸成した。

 

グリーンのゲルマン諸語の同系語はおおむね「新緑、緑、草木、新鮮さ、若さ、健康、成長、希望」などと結びつく。green はつまり、秋の紅葉・枯葉の色ではない

 

これに対してギリシャ語クロロス ( χλωρός)  は「緑色」のほかに「青白さ」を指す言葉であり、ラテン語の viridis 「緑色」もまた顔色が「あおい」ことを意味する。

 

green にも、その用法はあるけれども、病気・恐怖・妬み・陰険な気質で顔色が「あおい」ことを指すようになったのは中英語期から (例: he was green with envy.) 。言い換えれば、英語がフランス語やラテン語の影響を強く受けるようになってからである。

 

green のしっぽの -n は何かわからないが、gr-growgr- と関係があると語源学者たちはいっている。  green が色と関係なく使われるとき、「これから時間が経過すると完成していく」の意味合いがある。

 

古英語期には「生の、まだ食べられない、調理が必要な」などの意味があったが、それはもともと果物などが熟れていないことを指す ことと連想上つながる。例えば火にかけたばかりの生焼けの肉は時間が経過して火が通らないと食べられないように、熟れていない実も時間が経過して色づかないと食べられない。


「あおい実、未完熟の果実」を green fruit というのは今でも日常の統語である。だいたい植物の実は熟れる前は緑色である。植物の実は明らかに色と関係があるが、色と無関係なものも green で表現することがある。

 

たとえば、 green の「手つかずの、手をかけていない」のという意味。よく乾いていない木材を green timber というが、色は関係ない。それは使用できるようになるまで時間の経過が必要な木材であり、人間の手で何がしかの処理をしなければならない (具体的には乾燥させなければならない) 木材である。「手をかけていない、未処理の、自然のままの」のものは総じて green で表現することがある (例: green hide… green linen…  )。

 

green hide = 鞣していない毛皮」は古英語期からある用法。

 

「まだ食べられない = まだ熟れていない」という語義に相応して、「まだ飲むには早い = 熟成していない」の意味でも green は用いられる (例: green liquor… green wine…)。

 

計画や思想も完成していないものは  green で形容されることがある。「青写真しかできていない」とか、「まとまっいない」といった意味になろう。

 

緑色は青葉の色であり、芽吹いたときの葉の色で、秋の紅葉の色ではないので、「できたばかりの、生の」の意味でも使われることがあり、例えば、 green wound は「生傷」を指す。生傷は血が滲んで赤いから、 red wound の方が生々しい感じがするが、英語圏の人はなぜか green を使うことがある。

 

老齢や思い出を green と形容すると、「若々しさ」を表すことになる。昨日のことのように思い出される記憶は green memory であり、活発に活動する老年期は green old age である。老人を green と形容すると、「矍鑠としている、元気な、若々しい」になる  (例: As the proverb says, a grey head is often placed on green shoulders… )。

 

若者を green で形容すると、「経験がない。青二才の、未熟者の、新米の、世間知らずの」といった意味になることが多い (例: as green as green…)。

 

green が「パットするところ、ゴルフコース」を指すようになったのは19世紀中葉から。

 

green が「安全、あなた優先」などの意味になったのは、19世紀に合図の旗やランプができてから。現代の電気仕掛けの信号はそれを踏襲している。言うまでもなく、グリーン・ライトは日本語では「青信号」という。

 

20世紀前半には greenback 「ドル札、札束、お金」の略語としての green が現れた。これは南北戦争後のアメリカの紙幣が緑色のインクで印刷されているためにできた用法である。 greenback は19世紀に出現した言葉。

 

20世紀後半になると、 green には「環境保護派の、環境にやさしい、環境を保全する、再生可能の」などの意味ができた(例: green party… 1,000 MW of green power… You should live a greener life...)。ヨーロッパでいち早く環境保護運動が起きたのは1970年代の西ドイツで、 ドイツ語でその政治活動は  Grüne Aktion Zukunft  (Green Campaign for the Future) と呼ばれていた。このグリーンは完全に日本語になっていて、再生可能エネルギーを用いて水を電気分解して得た水素は「グリーン水素」というのに対して、天然ガスなどの化石燃料から抽出した水素は「ブルー水素」という。

 

グリーンはアイネランドのシンボルカラーである。

 

 

 

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