Saturday, June 20, 2009

yes

--- WORD DNA ---------------------------------------------------

PIE
It is considered that yes has two bases: *i- & *es-.

(I) *yam-
The extended form of *i-
 *i- is the pronominal stem whose conjugations are:

  PIE "English"
  *is- "he"
  *i- "she"
  *id- "it"

The ancestor of:
1) beyond (yon, yond, yonder); yea; yet; if. (of Germanic origin)
2) identity (identical, identically, identify); idem (id); id (Freudian term); item; iterate (reiterate.) (of Italic origin)

(II) *si-
The optative stem of *es- "to be"
 Old English si (3rd person singular imperative form of beon "to be")

The ancestor of:
1) am (1st person singular form of be) [PIE *esmi-]; is (3rd person singular form of be); sooth (soothe); sin (of Germanic origin)

2) entity, essence, absent, present (now), present (to introduce, to offer; gift), presence, represent; interest; proud; improve; quintessence. (of Italic origin)

3) Satyagraha: suttee (Hindu practice of cremating a widow with her dead husband on the same funneral pyre); Bodhisattva (savior in Buddhism). (of Sanskrit origin)

4) Parousia (Advent). (of Greek origin)

ETYMOLOGY
[Old English gise, gese, probably from Old English (West Saxon) gea, (Anglian) ge "so," the origin of yea, & si (3rd person imperative form of beon "to be") "be it!", closely related to is (present 3rd person singular form of be.) Yes, used as an interjection or interjectional adverb, denotes the affirmative. Aye came out in 1576 as a variant of yea or yes. The noun use of yes began in 1712, & the verb use, 1820. Yah (ya, yar), used in dialect or American slang, came in 1863. Yes-man "man who never says no (to his boss, the majority, etc. ; coward)" was first used in American English, 1912. Yes-girl "promiscuous young woman or prostitute," an American slang term and parody of yes-man, appeared in the mid 20th century. Yeah, originally used in American colloquialism, was first printed in 1905. Yep, a variant of yes, was born in American English, 1891; & her sister yup, 1906.]

ARYAN COGNATES
Germanic:
Old Frisian je "yes"
Old Saxon ja "yes"
Middle Dutch & Dutch ja "yes"
Old High German & German ja "yes"
Old Norse ja "yse"
 (Danish, Norwegian, & Swedish ya "yes")
Gothic ja, jai "yes"
Italic:
Latin yam "already, now"

WORLD COGNATES
Japanese イエス (from English)

* = reconstructed form

----------------------------------------------- 言葉の遺伝子 ---

 Yes は印欧祖語の *i-*es- からできている。というと、数千年も前からイエスはイエスなのかという気もしてくるが、もちろんそういうことではない。印欧祖語では *i- から派生した *yam-*es- の願望法 *si- によって構成されていて、古代アーリア人が発していたかどうか定かではないが、*yamsi は「そうなればいいなあ」や「そうでありますように」といった意味になる。現代英語でいえば ----- May it be so!

 願望法 (optative) は梵語やギリシャ語やラテン語や古英語に保存された動詞活用法 (mood) のひとつで、その名のとおり、願望を示す。現代英語には直接法 (indicative) や仮定法 (subjunctive) や命令法 (imperative) はあるが、願望法は消滅した。しかし、願望法がないからといって願望法と同じ表現ができないわけではなく、手元のギリシャ語文法書は、英語の法助動詞 (modal verbs = could, would, should, might, may, etc.) がギリシャ語願望法文の英訳に役立つと説明している。

 Yes はおそらく、「然り、そのとおり」を意味した yea の古英語形 gea (西サクソン方言) または ge (アングリア方言) に、古英語 beon (現代英語のbe動詞) の命令法三人称単数 si がついて成立したのだろう。この想定が正しいとなると、yes の成立当初の原義は「然れ、ままよ (So be it!)」ということになる。

 現代の yes は、相手が肯定疑問文を言おうと否定疑問文を言おうと、答える側は普通、肯定には yes を、否定には no を用いる。

  「好きじゃないの?」 = "Don't you like it?"
  「うん、好きじゃないよ」 = "No, I don't."
  「いや、好きだよ」 = "Yes, I do."

  「好きですか?」 = "Do you like it?"
  「うん、好きだよ」 = "Yes, I do."
  「いや、好きじゃないよ」 = "No, I don't."

 二通りの問われ方のどちらで問われても、答える方は「それ (it)」が好きなら "Yes"、 嫌いなら "No" と答える。日本語では相手に合わせて答え方を変えるのに、現代英語では、質問者の問い方がどうであれ、ポジティブは yes 、ネガティブは no である。

 いつからそうなったのかはわからないが、少なくともジェイムズ一世の欽定訳聖書時代の yea には、単なるポジティブではなく、コンテクスト中の前文に対する追加強調の接続詞的用法があった。以下の箇所では yea が否定文の文頭に掲げられている。

lest thou shouldest say, Behold, I knew them.
Yea, thou heardest not; yea, thou knewest not; yea, from that time that thine ear was not opened...
--- KJV, Isaiah 48:7-8 (1611)
私はとうに知っていたのだとお前が言わぬように。
まさに、お前は聞いたこともなければ、知りもしなかったこと。ずっと耳をふさいでいたから。
 New International Version や New American Standard Bible といった現代英訳版では、yea に相当する語がない。ただ、KJV の "yea, from that time" は NASB では "Even from long ago" となっていて、yeaeven と訳されている。

 欽定訳聖書よりやや古いシェイクスピアには、現代英語と同様の次のような使用例が見つかる。

PAROLLES  Why, do you not know him?
BERTRAM Yes, I do know him well...
--- W. Shakespeare, All's Well That Ends Well, Act 2 Scene 5
パローレス 彼のことを知らないのですか?
バートラム よーく存じ上げております。

 現代英語の否定疑問文に対する yes の使用例は以下のとおりである。

"Granma, don't you believe me?"
"Yes, of course, I believe you."
「おばあちゃんはぼくを信じてくれないの?」
「信じてますよ」
 否定命令文に対する yes の返答は、反発を指す。

"Don't do it!"
"Yes, I will!"
「やめとけ」
「やるよ」
 フランス語の場合、通常の疑問文に肯定の答えは oui を、否定疑問文に対する肯定の答えは si を用いる。

--- Ca marche bien?
--- Oui.
("Is it going well?"/ "Yes.")
「うまくいってますか」
「もちろん」

--- Tu ne veux pas savoir?
--- Si, je veux savoir.
("Don't you want to know?" / "Yes, I do.")
「知りたくないの?」
「いや、知りたいよ」
 これまで見てきたように今日の yes は肯定を指す。具体的にいうと、間投詞と副詞として働く yes は歓迎、同調、是認、賛同、同意、承認、了解、受け入れ、あるいは、単なる返事を表明するものである。

"Would you like to swin in the occean on the back of a dolphin?
"Yes, please!"
「イルカの背中に乗って大海原を泳ぐのはいかがですか」
「大賛成!」

"Our coarse is barred southward?" I asked the captain.
"Yes, sir! The iceberg has shifted and closed every outlet."
「南進する進路も塞がれてしまったのですか」と私は船長に尋ねた。
「そうです。氷山が移動して、出口はもうありません」

"Do you know?"
"Maybe yes, maybe no."
「知ってる?」
「知ってるかもしれないし、知らないかもしれない」

Were you a victim of violence in your youth? If yes, please tell us about it.
幼少期に暴力による虐待を受けたことはありますか? もしあるなら、くわしく教えてください。

"Father."
"Yes, my son."
「父さん」
「なんだ」
 単独の平叙文では追加の情報を付加するための接続詞のような働きをする。話し言葉では、喋っているうちにあたかも途中で思い出したかのように付け加えられるものである。

Pet names can be diminutives like our "Johnny" for "John," endearing terms such as "honey-bunch," or, yes, names from baby talk, like "Nana" for "Grandma."
ペットの名前は、「ジョン」を指す「ジョニー」のように指小語にしたり、「ねえねえ」のように親しい間柄の呼び掛け語にしたり、あるいは、もちろん、「おばあちゃん」を指す「ばーばー」のように赤ちゃん言葉したりすることができる。
 ちなみにジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』における意識の流れでは以下のように使われている。

long kiss I near lost my breath yes he said I was a flower of the mountain yes so we are flowers all a womans body yes that was one true thing he said in his life and the sun shines for you today yes that was why I liked him because I saw he understood or felt what a woman is and I knew I could always get round him and I gave him all the pleasure I could leading him on till he asked me to say yes...
--- J. Joyce, Ulysses (1922)
長いキスほとんど息もできなくってそうよわたしは山に咲く一輪の花だって彼は言ってそうよだから女が集まると花園女は全身がそうよたまらなくよかったって彼そして太陽も君のために輝いているってそうよだからわたし彼が好きになってだってみえたの女が何かって彼がわかったか感づいたかしたのをそして気づいたの彼にいつも寄り添えてすっかり楽しませてあげて誘導してあげてわたしがはいそうしますというように彼が聞くまで・・・
 「はいはい」と二回言うのはいい加減な返答の仕方とされるが、英語でも "Yes, yes" と二回言うのは、適当な返答となることがある。

"Yes, yes, I'll try some way this very night to speak."
「はいはい、今夜こそはなんとか話しかけてみますよ」


 品詞は文中の単語の役割をカテゴライズしたものである。しかし、言葉を使用する存在、即ち、ヒトは副詞は副詞として使わなければならないと頑なに意識して言葉を使っているのではない。これは何も yes にかぎったことではないが、単語の品詞は日常会話でいくらでも変わるものである。yes も名詞としてはもとより、動詞としても使用されている。動詞は、「賛成する」というより、「従う、言われるがままにする」といった意味合いが強い。

Please answer the question yes or no.
質問にはイエスかノーで答えてください。

I didn't hear any yesses or noes.
私は賛否両論まったく聞いていなかった。

Some Indians yessed the Spaniards.
スペイン人に従ったインディアンもいる。

I never yessed him, and he didn't like anyone yessing him.
私は彼にへつらったことはないし、彼はへつらう人を嫌っていた。
 尻上がりのイントネーションで問い返す Yes? は戸惑いや好奇心や確認を表す。

Man: "I beg you to..."
Woman: "Yes?"
男 「頼むよ」
女 「え〜?」
  Yes-man は上司や目上の人や時代の流れや多数意見などに逆らえない人を指す熟語である。

Japan has the yes-man culture.
日本には日和見主義文化がある。

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