一世紀ほど前、フランスの言語学者アントワーヌ・メイエ (Antoine Meillet, 1866-1936) はおもしろい提案をしている。印欧祖語を根源として、綿々と受け継がれているすべての言語を「印欧語」と呼ぼう、というのである。これに従うならば、英語 もフランス語もドイツ語もロシア語もベンガル語もトカラ語もすべて印欧語であり、それぞれの言語は印欧語の単なる方言 (dialect) だということになる。
メイエは、厳密には、下記のように主張した。
We will term Indo-European language every language which at any time whatever, in any place whatever, and however altered, is a form taken by this ancestor language, and which thus continues by uninterrupted tradition the use of Indo-European.
いつの時代であろうと、どこの土地であろうと、がらりと変わっていたとしても、この先祖語によって形作られ、なおかつ、印欧語の使用がそうして綿々と途切れずに継続している、すべての言語を印欧言語と命名しよう。
(See The American Heritage Dictionary of Indo-European Roots 2nd edition (2000)
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The American Heritage Dictionary of Indo-European Roots