Wednesday, September 25, 2013

Annuit Cœptis

Annuit Cœptis
--- Great Seal Slogan of the United States of America

word-for-word translation
(He = God) approves of undertakings (= the founding of the United States)

general translation
God approves of the undertakings.

逐語的邦訳
承認されている、事業は
(事業は承認されている。)

 ラテン語の文句。アメリカの国璽の裏面に刻まれている標語の一つ。 annuit annuere 「賛成する、承認する」の三人称単数現在形・現在完了形。 cœptis (単数主格は cœptum) 「事業、企画、立ち上げ、引き受け、着手」などを指し、アメリカ国璽のスローガンでは「アメリカ合衆国の建国」を意図する。Annuit Coeptis E Pluribus Unum の二つの標語は共に十三文字で構成されている。これは独立十三州を暗示している。国璽の裏の図柄のピラミッドも十三段であり、国旗にもなった国璽の表の赤と白のストライプも十三なら、星の数も十三個である。

 パターソン (Richard S. Patterson) とダゴール (Richardson Dougall) の説によると、 Annuit Coeptis はウェルギリウスの『アイネイアス』にあるアスカニウス (Ascanius) の祈りの言葉「全能なるユピテルよ、(我が) 勇敢なる取り組みを応援し給え (Jupiter omnipotens, audacibus annue cœptis.)」から拝借したものだという。

 Annuit Cœptis には王権神授説に対抗する建国者の思想が少なからず反映されているように思える。つまり、ヨーロッパの各国の王は、権力は神によって授けられたものだと主張していたが、アメリカの建国者はそれを真っ向から否定して、神が承認する国のあり方は、民主制のアメリカのみと言いたかったのだろう。

 西洋の社会が啓典の宗教に支配されていることは言うまでもないが、自分たちがそうだから、日本もそうだろう、とアメリカ人が考えたことがある。第二次大戦後のいわゆる東京裁判のとき、米側は日本人の被告に対して行動規範の典拠を執拗に求めたという。しかし、日本の神道に啓典はないから、古典文学の断片が示されるのみであった。ただ、日本の神道にも不文律の啓典はあるのだろう。全国民を守る為に、命令に従って自分の命を捧げた神風特攻隊員や人間魚雷となった兵たちの行いは美徳とされ、命令を下した軍の上層部は非難されない。

Latin Index
E Pluribus Unum (Great Seal Slogan)
Novus Ordo Seclorum  (Great Seal Slogan)

トロイアを探せ (ウェルギリウス関連記事)


No comments:

Amazon Widget

『英語語源物語』購読

メルマガ購読・解除
 

Subscribe to LIFE IS A JOKE

メルマガ購読・解除