Tuesday, February 26, 2013

の英名は copper であり、元素記号の Cu はキプロス島 (Cyprus)  で多く産出されていたことに因み、後期ラテン名の Cuprum から取られた略号である。はそれ以前にはラテン語で cyprium aes「キプロスの金属」と呼ばれていた。

 人類がを採るようになったのは少なくとも一万年以上前で、イラン北部の山岳地帯から紀元前八七〇〇年頃の銅のペンダントが出土している。銅はペルシャ以外でも、世界の各文化圏でそれぞれ独立して精錬法や利用法が確立されたとされているが、装飾品に加工される金 (きん) よりは遅く利用され出したものである。古代エジプト人は銅鉱床の酸化帯に多く産する緑色の光沢を帯びた孔雀石 (malachite) から銅を取り出していた。銅は、純度の高い状態では脆かったので、工具・農具・武器としての用途に十分な素材とはならなかった。そこで人々は銅に錫を混ぜる合金を作り出した。青銅器である。但し、銅と錫は同じ鉱床で同時に産出するので、それらの混合物を溶解すると、自然に青銅ができる例もあった。

 青銅 (bronze) は銅よりも丈夫なので、武器をはじめ様々なものに加工された。青銅器時代はシュメールでは紀元前三〇〇〇年頃にはじまり、やがて、エジプトや中国 (殷) も青銅器を使用するようになっていった。紀元前二〇〇〇年頃、アナトリアで鉄の精錬法が発明されると、ヒッタイト人 (Hittite) はいち早く鉄器時代に突入し、鋭くて丈夫な鉄の兵器と馬に牽かせる戦車による進撃によってヒッタイト帝国を建設した。鉄鉱石は銅よりも容易に見つかるという利点もあった。当初製鉄技術は門外不出とされ、外国に漏らさないようにしていたが、徐々に周辺諸国に知られるようになり、ヒッタイトは優位性を数世紀しか保てなかった。

 西洋の錬金術では、銅と金星は同じシンボル (♀)で表現する。

 銅の和名はあかがねという。日本には青銅と鉄にまつわる知識は弥生時代にほぼ同時に伝わったのだという。

 現代日本では十円玉に青銅を使っている。

copper "shiny red metal, the chemical element of atomic number 29 (Cu); (pl.) coins made of copper or bronze."
[Old English, from Late Latin cuprum, made up of Cyprium æs "Cyprian metal." Cyprus was known as the chief source of copper for ancient Romans.]

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