Thursday, January 31, 2013

トランプ

トランプは英語の trump からできた外来語だが、 trump は「切り札」の意味で、英語で「トランプ」は playing cards という。

図案と数字が描かれている西洋の遊び札は、室町時代末期に ポルトガル人によって日本に持ち込まれて carta と紹介された。日本で製造された天正カルタ (天正: 1573-92) は、四種の図柄(4 suits) があり、ひとつの図柄につき一から十二までの数値 (12 ranks) が表現されていたので、一組四十八枚で構成されていた。これが花札の起源であることは間違いない。花札も一組が四十八枚で構成されている。一年の各月を象徴する十二種の草花の図柄が描かれていて、ひとつの図柄につき札は四枚ずつある。

語源が英語であることから、トランプが日本に伝わったのは、ペリー以降であろう。明治期に伝来したトランプは、室町末期に伝わったカルタとは異なるものであったが、数世紀の間に、西洋にとどまったカルタトランプの原型へと進化し、日本に来たカルタは花札やウンスンカルタに進化した、と見ることが可能であろう。

trump が「トランプ」を意味しないことは既に書いたが、日本語へのすり替えの借入がどのような経緯でなされたのか気になるところである。

 trump triumph 「勝利、凱旋」を崩した訛とされる。

ウンスンカルタ
芥川の一服の夢 (トランプの出て来る小説『魔術』)


Tuesday, January 29, 2013

カルテ

カルテは患者の状態を記しておく書類のことで、ドイツ語の Karte に由来している。英語の card chart、ポルトガル語の carta と同様に、 Karte もラテン語の carta / charta から出来ている。

 Karta はやはり、図や数字や文字が記されている長方形の紙 (または、紙状のもの) を指し、「地図、海図、カード、カルタ (トランプ)、クーポン、チケット、メニュー (map; chart; card; playing card; coupon; ticket, menu)」などの意味がある。ドイツ語で「葉書」は Postkarte というが、字義どおりに読むと「郵便カード」になり、略して Karte という。「献立表、メニュー」は Speisekarte で、字義どおりには「料理カード」を指し、やはり略して Karte という。






カルタ

カルタは、漢字では歌留多骨牌などと書くが、ポルトガル語の carta 「トランプ、カルタ (playing card)」が語源。 carta はほかに「手紙、運転免許書、海図 (letter; driver’s license; chart)」などを意味する。要するに、文字・数字・図柄などが示されている長方形の紙 (または、紙状のもの) である。カードは英語 (card) から借入された外来語で、語形の類似から察せられるように、カルタと同源であり、ラテン語の charta / carta 「パピルス (の葉)、紙 (papyrus leaf; paper)」からできている。一二一五年にジョン王がしぶしぶ制定した王の権限に制限を設けたマグナ・カルタ (Magna Carta) はラテン語で、字義どおりには、「大きな紙 (or パピルス)」のことであり、歌留多とは血のつながりのある言葉である。ラテン語の cartacharta は、更に起源が古く、ギリシャ語の χαρτης (khartes) から借入された言葉である。古代ギリシャ人はこの言葉をエジプトのコプト語から借入したらしいのだが、明確にはわかっていない。

 室町末期から安土桃山時代にかけて日本に上陸すると、カルタは様々な遊び札を指すようになった。西洋伝来のものは天正カルタ (天正は1573年から1592年まで)、百人一首を用いた歌貝をアレンジしたものは歌かるた、ことわざを用いたものはいろはかるたというようになった。江戸時代に考案された花札は花かるたといったが、賭博に使われることが多く、いうなれば、天正カルタをアレンジした 日本版トランプ” と呼べるものであった。江戸幕府は賭博を禁じていたので、胴元たちは一計を案じ、札から数値を消し去って、一年の各月を象徴する草花を描いた風流な遊び札を作り上げたのだった。
しかと (花札からできた言葉)
トランプ

Sunday, January 27, 2013

しかと

しかとは「聞こえい (気付かない) ふりをすること、無視 (pretending not to hear or notice; ignorance)」を意味する俗語で、一九五〇年代には使われていた。花札で十月に充てられている紅葉の札の中には鹿が描かれているものが一枚あり、その鹿が振り返って紅葉を見ている様子が、そっぽを向いているように見えることから、しかとお (鹿十) という隠語が賭博場でできた。

カルタ
鹿



Friday, January 25, 2013

Congress John Adams Surveyed

What name is given to a group of cows? A herd of cows. A group of birds is called a flock. A group of fish is called a school; a group of geese, a gaggle; a group of lions, a pride; a group of crows, a murder; &, a group of ants, an army. What do you call a group of baboons? Baboons are the least intelligent of all primates, scream the loudest, & behave the most viciously. Believe it or not, the proper collective noun for a group of baboons is a congress.

A founding father of the US John Adams’s joke to ridicule a legislature seems milder than the above:
In my many years I have come to a conclusion that one useless man is a shame, two is a law firm, and three or more is a congress.

の集まりは英語でなんというのでしょう? 牛の集まりは a herd of cows といいます。鳥の集まりは flock といいます。魚の群れは school といい、ガチョウの集団は gaggle、ライオンの集団は pride、からすの集団は murder、蟻の集団は army といいます。では、ヒヒの集団はなんというのでしょう? ヒヒは霊長類の中で一番知能が低く、一番やかましく叫び立て、一番意地汚く振る舞います。信じようと信じまいと、ヒヒの集まりを指す正式な集合名詞は congress (群れ = 国会) といいます。

米建国の父の一人であるジョン・アダムズの立法府を揶揄する冗句は上記のものよりはおだやかに思える。
長年の経験から私はひとつの結論に達した。役立たずが一人なら恥であり、二人いると法律事務所になり、三人以上いると国会になる。
About "Life is a Joke"

Thursday, January 24, 2013

けだもの

けだものの語源は不明。一説にくだものと同じで、連体格の助詞という。

 けものけだものでは語感が異なる。けものは中立的表現だが、けだものには蔑視的傾向がある。一方、くだものフルーツと同様に中立な言葉である。

 「野蛮で残忍な人」はけだものにも劣る奴などと形容される。

 英訳するとなると、概ねけだもの brute beast に、けもの animal に対応する。

 brute 「畜生、野獣、けだもの」 は理性や知性が欠けていることを含意していて、人を指すときは「野蛮人、けだもの、畜生、野獣」の意味である。 brute は形容詞として、 brute beast などと使われることもあった。

 beast は中立的には「四本脚の大型 (哺乳) 動物、獣」のことで、野生のものと家畜になっているもの双方に用いるが、より中立な animal より、野蛮さ・野性味を帯びた容姿や動作や性質・非人間性・非人間的感覚を強調することが多い。
And God said, "...And to every beast of the earth, and to every bird of the air, and to everything that creeps on the earth, everything that has the breath of life, I have given every green plant for food." 
そして神は言われた。「・・・地のすべての獣たち、空のすべての鳥たち、地を這うすべてのものたち、命の息のあるすべてものたちに、わたしは緑の植物を食べ物として与えたのだ」 

A hunter walking through the jungle, found a huge, dead dinosaur, with a pigmy standing beside it... "How could a little bloke like you kill a huge beast like that?"
ジャングルを歩いていた狩人が巨大な恐竜の死体を見つけたが、その傍にはピグミーが立っていた。・・・「どうやってあんたみたいなちっこい奴があんなでかい怪物を倒したんだ?
The Beauty and the Beast
美女と野獣
He’s an awfully sensitive beast.
彼はおそろしく鋭敏な獣である。

果物
鹿


Sunday, January 13, 2013

果物

果物であるという。従って、果物とは木のものである。この説は、けだものの語形成との連想でくだものができたと説く。しかし、古く果物は副食物や菓子類を言ったことから、木のもの説には疑問符がつく。普通、現代日本語では、西瓜や苺なども果物と呼ぶ。

 英語の fruit はラテン語の fructus 「喜び、収穫物」から。語根は frui- 「よろこぶ、たのしむ」こと。

 apple は古英語由来の言葉で、「林檎、実 (丸く膨らんだ硬さのある、植物の食べられる部位)」のこと。

 berry もゲルマン語派の言葉だが、小粒で核のない柔らかな果物を指す (strawberry, blueberry, etc.)

けだもの
胡麻すり  (apple polisher)
(apple of the eye に言及)
etrog
fruit
naranja


Saturday, January 12, 2013

ちゃきちゃき

ちゃきちゃきちゃきちゃきの江戸っ子などというとき、生粋であることを指す (= pure)。この言葉は嫡々 (ちゃくちゃく) が転訛したものと言われている。という字は嫡流などと使われるが、嫡流とは「本家の血筋」の意味。言うまでもなく日本では長男が大将などと呼ばれ、家を継ぎ、父親の職を継ぐ伝統があるから、職人の間で有望な親方の倅をちゃきちゃきと形容していたのかもしれない。また、繁盛している商家の長男 (= ちゃきちゃきの御曹司) ともなると、小遣いもたっぷりで羽振りがよかったのだろう。将来性があることや気前が良いことを指す副次的な語義は、そういった状況下で醸成されたのだろう。



Friday, January 11, 2013

A Woman is a Religion

What is a woman for her man? The first man in the Garden of Eden says that she is “bone of my bone, flesh of my flesh.” What is a man’s love of his woman? It seems that a man tries to understand, help, & protect her, & he wants not only her kindness, understanding, encouragement, but also, her domination, seeing as if she is a goddess he worships. There was once a French journalist who considered love to be a kind of faith, & whose name was Emile de Girardin (1802-81). He says:
A woman whom we truly love is a religion.
にとって女とは何か。エデンの園の最初の男は女を「我が骨の骨、我が肉の肉」と言っている。女に対する男の愛とは何か。男は女を理解し、助け、守ろうとする一方で、崇拝する女神ででもあるかのにように見なして、女の優しさや理解や応援ばかりでなく、支配をも望んでいるようである。かつて愛情は信仰の一種だと考えたフランスのジャーナリストがいた。名はエミール・ドゥ・ジラルダンである。彼は言っている。
心から愛する女性はひとつの宗教なのである。






Thursday, January 10, 2013

大福帳

大福帳は「商家の帳簿 (account book)」のこと。江戸時代中期、江戸の日本橋室町に住んでいた鍵屋清左衛門は、帳簿を商っていたが、達筆な人だったので、あるとき、帳簿の表紙に「大福帳」と書いて発売してみることにした。これが縁起を担ぐ江戸の商人たちに受け入れられて大当たりした。やがて、商家の帳簿は一般的に大福帳と呼ぶようになった。当時は登録商標などというものはなかっただろうけれども、これは商品名が一般名詞になった例の一つといえる。

 清左衛門の息子平林淳信 (あつのぶ) は書家細井広沢に弟子入りして書家になった。

Wednesday, January 09, 2013

瓢箪から駒

瓢箪から駒は、冗談で言ったら、それが実現してしまった、というような「思いがけない幸運」のたとえ。この慣用句は上方落語の『鉄拐』から発したものであろう。この落語は中国の小咄から作られたもので、登場する仙人の張果老は瓢箪から一日に数万里走れる馬を出したり、また、しまったりすることができる。この落語に出て来る仙人たちは俗っぽいところがあり、人気を横取りされることを危惧する仙人の鉄拐は、張果老の瓢箪に口をつけて中の馬を吸い出し、自分のお腹の中にしまい込む。

張果老は通玄とも呼ばれ、唐代の則天武后や玄宗の絡む伝説がいくつかあり、中国では八仙に数えられている。『鉄拐』のもともとの原話は、驢馬を紙のように畳んでしまい、必要なときに水をかけて元に戻すという仙術のエピソードであろう。

ひょっとしてひょっとすると、などの言い回しはひょっとすると、瓢箪から駒をほのめかした表現なのかもしれない。

上方いろはがるたの「ひ」にはこのことわざが充てられている。江戸いろはかるたでは、嘘から出たまことが、瓢箪から駒に対応する。江戸いろはの「ひ」に充てられていることわざは、貧乏暇なし

About "Life is a Joke"
Hunger is a wanderer (Zulu Saying)
嘘から出たまこと
江戸いろはかるた
灰吹から蛇が出る

ドイツのことわざ
Aus Scherz kann leicht Ernst werden

瓜・瓢箪
かぼちゃ
ゴーヤ
河豚 (ふくべ = ひょうたん)

Amazon Japan
落語 鉄拐

Tuesday, January 08, 2013

カルボナーラ

カルボナーラは、牛乳 (または、生クリーム) や卵が固まらないように熱の加減を調整しながら仕上げた白いソースに、黒胡椒のつぶつぶが際立って、それが炭の粉のように見えることから命名された。イタリア語のフルタームで spaghetti alla carbonara といい、carbonara は、一般的には、 carbonaro 「炭焼き屋 (charcoal maker or seller)」の女性形と解せる。普通、女性形は女性のその職業の人を指す (例: attore - attrice = 俳優 - 女優 / medico - medica = 医者 - 女医)。この法則に当てはめると、スパゲティ・アッラ・カルボナーラは「炭焼き女 (ねえさん / かあさん / おばさん ) のスパゲティ」になる。

 参照したイタリア語の辞書には載っていなかったが、一説に、carbonara は「炭焼き窯」であるともいう。カルボナータ (carbonata) なるイタリア料理は、「炭火で炙った塩豚 (charcoal-grilled salt pork)」で、 carbonata は carbonara と同系だという。

 carbonara は二十世紀に英語にも借入されていて、 carbonara / spaghetti carbonara / spaghetti alla carbonara の語形で使用されている。
The well known dish spaghetti alla carbonara was first devised in Rome.
よく知られた料理であるスパゲティ・アッラ・カルボナーラはローマではじめて考案されたものである。
carbonaracarbon 「炭素、カーボン」と同系である。

食べ物に関する言葉




Monday, January 07, 2013

体の部位に関わりのある言葉

体の部位に関わりのある言葉

眉唾


男は目から恋をする (女は耳から恋をする)



女は耳から恋をする (男は目から恋をする)


かむ


manage
digit


foot

ちょっかい

ちょっかいの語源は「手掻き」であるらしい。ちょを指す卑語。人間や猫の手首から先の方をちょっかいと呼ぶ例があり、転じて、手首をやや曲げたままパンチして手前に引き寄せる仕草もちょっかいと呼ぶようになったらしい。ちょっかいを出すは「徒に手を出す」こと。

 女の人にちょっかいを出すことを、英語ではパスする --- to make a pass at... --- という。

 手ちょと呼ぶようになったのはどうしてかわからないが、ちょっぷちょうな (手斧)ちょうず (手水) などはすべてに関係する語である。



Saturday, January 05, 2013

駄目

駄目は囲碁の空目 (むなめ) のこと。黒にとっても白にとってもうまみのない空点。置くと手数を損するので無駄になる。よって、駄目は「役に立たないこと、 無駄、不首尾、失敗 (uselessness, failure)」の意味になった。
「うまくいきましたか?」
「駄目でした」
 駄目は人を咎めるときにも使う。
「仕事は片付けたか」
「まだです」
「駄目じゃないか。間に合わなくなるぞ」
  また、やってはいけないと注意するときに使う。
「喧嘩なんかしちゃ駄目じゃないの」
 駄目親父駄目社長駄目は役に立たないばかりでなく、「行いがわるい」といった意味を含蓄することがある。

 

Friday, January 04, 2013

Flight Is Madness

Flight is sometimes considered a bad action. Macduff, in Shakespeare’s Macbeth, exiles himself to England leaving no message for his wife, after Duncan has been murdered. Lady Macduff says, worrying about him at Act 4 Scene 2:
LADY MACDUFF
His flight was madness: when our actions do not,
Our fears do make us traitors...
逃亡は時に間違った行動と受け止められる。シェイクスピアの『マクベス』に出て来るマクダフは、ダンカンが謀殺されたあと、妻にメッセージをのこさずイングランドに亡命する。マクダフ夫人は第四幕第二場で夫の心配をしながら言う。
マクダフ夫人
逃げたのは狂気の沙汰。何もしていないのに
怖がっているせいで、反逆者にされるもの。

Thursday, January 03, 2013

frou-frou

frou-frou (froufrou)

--- Word DNA ---------------------------------------
ETYMOLOGY
[1870, from French onomatopoeia.]

DECIPHERMENT IN JAPANESE
froufrou = “rustling sound, as of luxurious draperies.”
豪華な衣装から出てきそうな音。
基本義「さらさら、するする、そろそろ、わさわさ」
名詞の派生的語義は「豪勢なもの、きらびやかなもの、派手なもの」

DERIVATIVE
frou-frou + -ing = frou-frouing
さらさら (そろそろ、わさわさ) + ~としている (と音を出す)

------------------------------------ 言葉の遺伝子 ---

frou-frou は、動き回る女性の襞の多いドレスから出て来る衣擦れの音を指すフランス語の擬態語から英語化した言葉てある (例文: Froufrou is a real word; it came from the rustling sound a girl in a dress makes... froufrou は実際にある言葉である。この言葉はドレスを着た女の子が出すさらさらという音に由来している)日本語の擬態語として「さらさら、するする、そろそろ、わさわさ」などがあてはまるだろう。

 ドレスの衣擦れの音 rustle はゲルマン系の擬態語だが、フレンチの frou-frou の方がよりそれらしく聞こえる。



Wednesday, January 02, 2013

言葉の使い方の比較

言葉の使い方が民族によって異なるのは当たり前だが、どうして違うのかを考える為には、まず、どう違うのかの具体例を見つけなければならない。具体例は探せば無数に見つかるのだが、ときどき気付いたら、ここに記しておこうと思う。

言葉の使い方の比較に特化した投稿
lavar


sonarse la nariz

鼻を鳴らすと日本語で言うと、「小馬鹿にする、甘える」といった意味になる。イメージしてみると、鼻息が吐き出されているさまが思い浮かぶ。

 スペイン語で(自ら) 鼻を鳴らす」--- sonarse la nariz --- といえば、「鼻を擤む」ことである。

Me sueno la nariz.
(逐語訳)
自ら (私は) 鳴らす、鼻を。
(意訳)
私は鼻を擤む。
(literal translation)
Myself (I) sound the nose.
(translation)
I blow my nose.





かむ

かむの音を持つ動詞の中で、鼻を「擤む」というときのかむは、噛む (to bite) 醸む (to bite & grate rice with the teeth and to spit it out of the mouth for preparation of fermentation; to make sake or Japanese alcoholic drink)」と関係があるだろう。古代の日本では、酒造りは女性の仕事で、女性が酒米を口に含んでよく噛んで、米を砕き、発酵の準備をしていたのだという。

 擤むは「ティッシュやハンカチなどを鼻にあてがって、鼻息を吐いて、その勢いで鼻孔内の鼻汁を排出し、あてがっているティッシュなどで出て来たものを拭き取る」ことであり、醸むとは体から出すという点で意味か通じる。

 鼻を擤むというとき、英語では to blow one’s nose 「鼻を吹く」という。息を吐き出すことに力点をおいている。 to wipe one’s nose 「鼻を拭く」は拭くことに力点を置いている。

 余談ではあるが、日本語の吹く拭くが同音なのは偶然ではないのかもしれない。

 スペイン語で「鼻を擤むこと」は sonarse la nariz「 (自ら) 鼻を鳴らす」と表現する。

Tuesday, January 01, 2013

牛耳る

牛耳を執る (牛耳る) は中国の春秋戦国時代にできた言葉。中国語では牛耳 (Niú'ěr ) 「牛耳る」という。当時、西方の秦が勢力を増して迫って来たとき、中原諸国は同盟を結んで対抗した。同盟締結の儀式は生け贄の牛の耳を切り落として、各国の代表が口に付けるというものであった。儀式は中原で覇権を握っていた国が主催していた。戦国時代は紀元前四〇三年に秦が天下統一を果たして終わり、儀式もなくなったが、言葉は生き残り、「盟主を勤める、取り仕切る、支配的立場にある (to be the leader, rule, or dominate)」などの意味で使われ続けている。

 牛耳だけなら漢語ということになるが、牛耳るとなると、漢と和のフュージョンということができる。このように外国から来た言葉が日本語のルールに則って語形変化することは、たとえば、サボタージュサボるになったことからもわかるように、日常的に発生している。

中国の春秋時代に出来た言葉
臥薪嘗胆

牛にまつわる言葉
互角

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