Sunday, August 21, 2011

Heartbreak Ridge

 『ハートブレイク・リッジ』はクリント・イーストウッド監督・主演の一九八〇年代の映画である。赴任地で上官が自分の出身校を語ったのち、クリント・イーストウッド扮する海兵隊の鬼軍曹ハイウェイに出身を尋ねる。ハイウェイは「ハートブレイク・リッジだ」と答える。何のことかわからなかったが、調べてみると、朝鮮戦争の戦闘の中で過酷を極めたものを「嘆きのうねの戦闘」という。
 見所は二つ。引退間近の老兵ハイウェイと自称「ロックンロールの王者」との奇妙な友情と、それから、ハイウェイと昔の奥さんとの関係である。
 多分、クリント・イーストウッドはどの映画でも同じキャラで、実力はあるが、品行が悪く、口は汚い。そして、誰よりもタフで正義感が強い。銃弾が雨あられと飛び交う戦場や犯罪現場でも決して弾に当たることがない。万が一当たったとしても、かすり傷で済む。ダイナマイトやバズーカ砲でも致命傷は与えられない。この映画でも、朝鮮半島やベトナムで戦って長年生き延びてきた歴戦の強者の英雄役をこなしている。
 クリント・イーストウッドに「ヒッピー」と呼ばれる軟派なくせ者のロックミュージシャンのスティッチ・ジョウンズは、食堂で朝食を食べたあと、トイレに行ってくるから勘定を頼むと渡された金をねこばばしてとんずらする。ここのハイウェイははなから人を疑って見ない清いところが良い。騙されて置き去りにされた後は怒り心頭となるが、このあたりもハイウェイというより、クリント・イーストウッドそのものなのかもしれない。
 赴任地は古巣の基地であった。顔なじみもいるが、デスクワークしかしない上官もいる。当たり前のことながら、そういう上官とハイウェイはそりが合わない。戦争は机の上でやることではないのだ。
 任されたのは、実践経験のない軟派なやつばかりそろった部隊であった。しかも、例のスティッチまでいた。部隊の面々は当初、新任の鬼軍曹に不満たらたらであったが、鍛え鍛えられるうちに、軍曹と部下たちとの間には信頼が生み出されていく。そうして、この大部隊の中ではどのプラトーンよりも実戦に向いた集団となっていった。
 さて、この町の酒場にはハイウェイの昔の奥さんが働いていた。ハイウェイは恋愛ハウトゥ本的な雑誌を読みながら、なんとかよりを戻そうとするが、なかなかうまくいかない。さすがのハイウェイも女にはやさしいが、国にのこされた妻が戦場の夫をどんな気持ちで待っていたかなど、想像もしていなかったのだ。
 この手の映画のラストは必ず実戦となる。訓練シーンだけで終わったら、ハリウッド映画として盛り上がりに欠けてしまう。また、夫婦のよりが戻るにせよ、恋人とうまくいくようになるにせよ、どんぱちごっこの訓練の後に抱き合うのと、命がけの戦闘の後に抱き合うのでは、断然、後者の方が絵になる。
 この映画の脚本では、グレナダで民間人が捕まってしまっているので救出にいく作戦が用意されている。その戦闘でハイウェイの勇気と決断力が傑出していることが示される。


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ハートブレイク・リッジ


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