Wednesday, December 19, 2007

kill

--- WORD DNA ---------------------------------------------------------
<>
*gwel- "to throw or reach"
This is the ancestor of:
1) kill, quell (of German origin)
2) ball (gethering for dancing), ballet, ballad; symbol, parabola, parable, parliament, parlor, problem, devil, metabolic (of Greek origin)

<>
[Middle English "to strike"; later, "to slay or put to death"; probably from Old English *cyllan, related to cwellan "to kill", closely related to quell. The noun came up in the 19th c. Killer is first recorded in the surname in the 13th c.]

* = reconstructed form
--------------------------------------------------------- 言葉の遺伝子 ---


 印欧祖語 *gwel-「なげる、とどく」から。これは勢いよく速く動いて何かにぶつかること、勢いよく動かしてぶつけることを示す語感であろう。従って、「ぶつ、たたく」がゲルマン語圏で発生し、「ころす」の意味が完成した。ゲルマン語派の同系語には「いじめる」、「傷めつける」、「拷問する」などを指す語が見つかっている。強く叩くことを指す用法はテニス用語として今も生き残っている。

Some can't hit a slow ball at all, others kill slow balls every time.
スローボールをまったく打てない人もいるが、その一方でスローボールを毎回見事に打ち返す人もいる。


 サッカー用語としてはボールを止めることであり、ある面からみれば、kill には「やっつける」の訳語が当てはまることもある。

 姓の Killer は十三世紀の初出で、おそらく、屠殺業関係の人に付いていたのだろう。当時の屠殺業者は家畜の頭を叩いて気絶させるか、殺してから肉を捌いていたのだろう。語幹部の母音は一定でなかったと推
定されているが、k-l の音素は印欧祖語の語感をとどめている。
 kill の最多用法義は「生命を奪う」ことであるが、派生義を含めると、「対象の主体的活動・機能・本質・有意義性、または、存在自体を (完全に) 消滅させる」ことを意味している。

Soldiers were either killed or wounded in the battle.
戦場の兵士達は殺されるか、負傷するかのどちらかであった。

The Union loss was 9 killed, 15 wounded.
連邦側の被害は死者九名、負傷者十五名であった。

Fire at Major Pipeline Killed 2.
大パイプラインで火災発生、二人死亡。

He only thinks to kill himself.
彼は自殺することしか考えていない。

How to kill a dragon.
竜を退治する方法。

What killed dinosaurs?
恐竜を絶滅させたのは何か。

Kill two birds with one stone.
一石二鳥。

Love me or kill me.
愛してくれないなら、殺してちょうだい。

The herbicide was used to kill weed.
その除草剤は雑草を枯らすために使用されていた。

You kill hours at the telephone.
暇つぶしの長電話を延々としている。

I was killed in this trip.
出張でもうくたくただよ。

Don't kill yourself lifting so heavy things at once.
そんなに重たいものを一気に背負わなくたっていいよ。

My headache is killing me.
頭が割れんばかりに痛い。

The pill will kill your pain.
この薬で痛みは大分和らぐでしょう。

British capitalism killed slavery.
英国の資本主義は奴隷制を消滅させた。

"You must add plenty of salt and lemon," said he.
"You want me to kill the taste!"
"No, enrich the taste!"
「塩とレモンはたっぷり入れないといけないよ」と彼は言った。
「味が台無しになっちゃうわよ」
「いや、濃厚な味わいになる」

In the Senate the bill was killed on the last day of the session.
上院の審議最終日にこの法案は破棄されてしまった。

If there is an error connecting to the database, then kill the script and display the error message to the user.
データベースへの接続にエラーがあるときは、スクリプトは無効にして、ユーザー向けにエラーメッセージを表示せよ。


 おもしろいのは「爆笑させる」ことを指す口語的用法である。

His joke killed me!
あいつのジョークはメチャクチャ面白かった。


 これは「心を笑いで支配してその本来の機能を奪う」という連想でできた表現方法だろう。従って、魅了したり、強く印象に残るものを表現するときも killkiller が使われている。

He's dressed to kill.
彼はとってもおしゃれな着こなしをしている。
(彼は隙のない服装をしている)

Mac OS X killer app.
マックOS Xの超便利ソフト。


 自動詞で使うとき、つまり、目的語を省略するときは、「人を殺す」の意味が多い。

Children who kill.
殺人を犯す子供たち。

Thou shalt not kill.
汝殺すべからず。

Licence to kill.
殺人許可書。


 Killer は殺したり、破壊したり、とどめを刺す主体をいうのに対して、名詞 kill は行為・対象 (獲物) ・標的・(特に格闘やハードワークの) 最終段階などを指す。

The serial killer terrorized London in 1888.
一八八八年、連続殺人鬼がロンドンを恐怖に陥れた。

The killer cat can't wait for the mouse to come.
殺し屋の猫は鼠がくるのを待っていられない。

The search for a killer asteroid.
壊滅的打撃を与える小惑星の探索。
  
Mac OS X Tiger killer tips.
Mac OS X Tiger を使いこなすコツ。

An arrow hit the kill.
矢が獲物に命中した。

When a predator is on the kill, he just bites down hard and then shakes his prey to death.
肉食動物が狩りでとどめをさすときは、激しく食らいついて、獲物が死ぬまで揺さぶりをかける。

 
 ゲルマン語派の同系語としては quellquail があり、直接的には印欧祖語の派生義「つらぬく (to pierce)」からきている。

 印欧祖語に発しギリシャ語からロマンス諸語を経由して英単語になった単語も沢山ある。ball 「舞踏会」はラテン語 ballare 「踊る (to dance)」からフランス語に派生したものだが、元々はギリシャ語 ballein 「なげる (to throw)」が源である。これと同系の ballet「バレー」は同じラテン語から、イタリア語が出来て、フランス語に借用され、最終的に英語になった。ballerina 「バレリーナ」は ballet と同系。やや経路が違って、ラテン語からプロヴァンス語を経由してフランス語に借入された語に ballad 「バラード、舞踏曲」がある。踊りというのはぴょんぴょん飛んだり跳ねたりするから、「なげる」から「おどる」が出来たとしても突飛な発想とは思われない。印欧祖語の gw-l はギリシャ語の b-l に変化したが、それと同時に南欧の人々は北欧の人々と異なる意味に発展させていった。この系列において、ギリシャ語にもっとも近い語義を有する英単語は ballista 「弩号」である。

 同じく devil 「悪魔」はギリシャ語からラテン語を経由して英語になった単語の一つだが、ギリシャ語 diaballein は「中傷する (to slander)」であり、分解して解釈すると、「なげつける (dia- "across, through" & ballein "to hurl)」が原義。ギリシャ人は言葉の性質を、飛んでいくもの、放たれるものと解釈していたのだろう。

 devil と密接な繋がりがある emblem 「表象、標章」は、ギリシャ emballein (en- はinに相当) から。即ち、「投げ込む、はめ込む (to set in)」が語源。(b や p の直前の n は m になる。後に記す symbol も同じ変化)

 「たとえ話、寓話」を指す parable は para- 「脇に (beside)」と ballein の組み合わせで、「ならべる (to set beside)」が「喩える (to compare)」に発達した。

 「放物線、パラボラ」を意味する parabola は近代ラテン語から入った英単語で、後期ラテン語 parabola 「対話」に由来するが、元をたどればギリシャ語であり、parable と同じ構成である。parley 「討論、話し合い」も parable と同源で、parlor 「談話室」や parliament「議会、国会」も同じ眷属である。

 problem 「問題」は目の「前に投げだされたもの」というイメージから。pro- は「前に」を指し、ギリシャ語動詞 proballein (to put forward or throw before) から構成されている。

 symbol 「シンボル」はギリシャ語動詞 symballein 「まとめる (to put together)」からで、syn- は漢字でいえば、「共 (together)」である。ギリシャ語名詞形 symbolon は「身分を示す印 (token for identification)」のことであった。(sympathy, synchronicity 参照)

 使用頻度の低いものまで含めると、まだまだ *gwel- の子孫は見つかるが、英単語になったのはすべてゲルマンとギリシャ経由のものである。

 最近巷で聞く metabolic「メタボリック、新陳代謝の、物質交換の」は、語源的には、meta- 「〜と、〜の向こうへ、〜の間を (with,
after, between)」と b-l の要素から出来ていて、動詞的には、向こう側へと素早く移されることであり、形容詞としての原義は「著しく変化した」状態を指している。

 ball 「玉、ボール」は、投げることに関係するが、別語源で、印欧祖語 *bhel- 「ふくれる (to swell)」から出来た単語である。

 ところで、日本語の「殺す」は「凝る」や「懲らしめる」と語源的に関係があるとされている。「凝る」は固めたり、固まることで、「肩こり」の「こり」でもある。方言では叩いて固めることを「こる」ということもあるから、確証を得るには同様の音韻変化が広範囲に認められなければならないが、印欧祖語 *gwel- (英語 kill ) と「コロス ( 殺す)」が語源的に繋がっている可能性も否定できないだろう。

Info

Friday, December 07, 2007

shaggy-dog story

 「もじゃもじゃ犬の話}」とは、聞いている人よりも話している人が楽しんでいるようなオチのある他愛のない馬鹿話のこと。ある種のオチのあるこの手の冗句は一九四〇年代に原形ができた。
 Brewer's はパートリッジ (Eric Partridge) が収録した話を採用している。中年の男がニューファンドランド (毛もくじゃらの犬種) と列車の中でチェスをしているのだが、ロンドンに着くまでに決着が着いた。勝ったのは犬である。ゲームを観戦していた男は、大した犬だと驚くが、チェスで負けてしまった男は、大したことはない、この勝負の前におれの方が二勝してるんだ、という。

Tuesday, June 05, 2007

listen

listen

--- WORD DNA ---------------------------
< PIE >
basic form *kleu- "to hear"
zero-grade form *klu-
zero-grade stem *klu-s- ( the ancestor of listen.)

< ETYMOLOGY >
[Middle English listenen, from Old English hlysnan, of Germanic origin; from PIE stem *klu-s-. The noun meaning an "act of listening" was first recorded in American English, 1788. Listner "one who hears with attention" was first recorded in 1611. The adjective listenable "easy or pleasant to hear" appeared in 1920. See list "to listen."]

< ENGLISH COGNATES >
leer [of Germanic origin.]
list "to listen" [of Germanic origin.]
loud [of Germanic origin.]
Clio [of Greek origin.]
Hercules [of Greek origin.]

< COGNATES IN OTHER LANGUAGES >

In centum languages:
German lauschen "to listen"
Lithuanian klausyti "to listen"
Latin cluere "to be called or famous"
Greek cluein "to hear"
Old Irish cluas "ear"
Welsh clywaf "I hear"

In satem languages:
Sanskrit srosati "he hears or obeys" / srnati "he hears" (See also list "to listen")
Avestan sraothra "ear"
Middle Persian srod "hearing, sound"
Old Church Slavic slysati "to hear" / slava "fame, glory" / slovo "word"
--------------------------- 言葉の遺伝子 ---

 印欧祖語は「聞く、聞こえる (to hear)」だったが、古英語の頃から listen 「聞く」は、分析的にいって、「聴覚を用いて注意する (to pay attention with the sense of hearing)」ことを指すようになった。


I'm listening. Please go on.
お伺いします。続けてください。

Shut up, you guys, and listen!
みんな静かに。話を聞こう。

Take a good look and listen up!
よく見て、ちゃんと聞くこと。

That I remember is the Nixon-Kennedy presidential debate. Those that listened on the radio declared Nixon the winner.
私が思い起こしているのはニクソンとケネディの大統領選のときの討論会である。ラジオを聴いていた人たちはニクソンが勝つと確信したものだった。

Listen twice as much as you talk.
自分が話すよりも人の話を倍聞くこと。

Suddenly a strange noise is heard. They listen and wonder where the odd eerie music is coming from.
突然、耳慣れない嫌な音が聞こえて来る。彼らは聞き耳を立てこの奇妙なぞっとする音楽がどこから聞こえてくるのかしらと訝っている。

Thank you for listening.
ご静聴、感謝します。


 否定形は「言うことを聞かない (not to hear one's advice or suggestion; not to obey)」を指すことがある。


I've never understood why women love cats. Cats are independent, they don't listen, they don't come in when you call, they like to stay out all night, and when they're home they like to be left alone and sleep. In other words, every quality that women hate in a man, they love in a cat.
女が猫好きなのはまったく理解できない。猫は勝手気ままで、言うことを聞かず、呼んでも寄ってこないし、夜通し遊び歩くのが好きで、家にいるときは煩わされるのを嫌ってひとりで寝ている。言い換えれば、どれもこれも女が嫌う男の性癖なのに、女は猫ということになると好きなのだ。

I won't listen.
聞きたくない。


 到達地点を示す前置詞 to が後付けされるときは、注意を集中する対象は音や声、言い換えれば、音源や声の主である。


Has anyone listened to the audiobook?
このオーディオブックを聞いたことのある人はいますか。

I bought it some years ago, but to be honest, I don't listen to it much.
何年か前に買いましたが、正直いって、あまり聞いていません。

After listening restlessly to a long and tedious sermon, a six-year-old boy asked his father what the preacher did the rest of the week.
長ったらしくて退屈な説教を延々と聞かされた後、六歳の男の子は、神父が一週間のうち他の六日間は何をやっているのかと父親に尋ねた。


 listen to X において、X が人であるときは、X は話をしている (あるいは、その時点から話しはじめる)。人が対象の場合、「(集中して) 聞き取る、傾聴する、耳を貸す」といった訳語があてはまる。


When you are talking to your child or spouse, close your eyes and listen to them.
家族団らんのときは、目を閉じて耳を傾けよう。


 通例、X が言葉を発するなら、 その後続する語句 (speaking, saying, telling, etc.) は省くが、まれに、付け加えることもある。


I'll listen to you speaking.
どうぞ仰ってください。


 この種の言い回しは、おそらく、言葉を発すること以外で用いる listen to X doing (eg. listened to her humming.) 型からの連想であろう。
 前置詞 to は対象に届いているが、for は方向を示しているにすぎないから、listen (out) for は「耳を立てる、聞き取ろうとする (to try to hear)」ことである。to ははっきり聞こえる場合に、for は聞こえにくいか、あるいは、現時点では聞こえないが、今から聞こえてきそうなものに用いる。


What do you listen for when someone is talking?
他の人が話しているとき、何を聞き取りますか。

A boy puts his head on a railroad track to listen for a train.
少年は線路に頭をくっつけて列車がくるのかどうか聞いている。

For what listen?
何か聞こえる?

Listen out for the announcements of the station names.
駅名を告げるアナウンスを逐一聞き逃さないようにしなさい。

"That's what I've been listening for!" he cried.
「何の音かと思ったら!」と彼は叫んだ。

They remained quiet, looking and listening for some time.
しばらく音の正体を突き止めようとして、彼らは物音を立てずにいた。


 in は対象に向かって入っていくことだから、listen in は「(中を) 聞く、 聞き取る、聞き耳を立てる、盗み聞きする」ことで、応用され、ラジオの「チャンネルを合わせる (to tune in)」ことや、「盗聴する (to tap)」ことをいう。


Don't tell me now! You never know who might be listening in!
シーッ。壁に耳ありというからね。

Listen in again next week at this same time.
来週もまた同じ時間にお耳にかかります (ie.チャンネルを合わせてください)。

The National Security Agency illegally listens in on hundreds of thousands of phone calls in the US.
国家安全保障局は米国内の無数の通話を違法に盗聴している。


 名詞は動詞からの派生で十八世紀の米語が起源である。


A new album I had a listen sounds nice.
新しいアルバム聴いたけど、なかなかいい感じだ。


Info

Monday, March 26, 2007

list (to listen)

--- WORD DNA ---------------------------
< PIE >
basic form *kleu- "to hear"
zero-grade form *klu-
zero-grade stem *klu-s- ( *klustis is the ancestor of list.)
lengthened zero-grade suffix *klu-to- (the ancestor of loud.)

< ETYMOLOGY >
[Middle English listen, from Old English hlystan "to listen (to), hear," from the noun hlyst "hearing." Of Germanic origin. See listen.]

< ENGLISH COGNATES >
leer [of Germanic origin.]
listen [of Germanic origin.]
loud [of Germanic origin.]
Clio [of Greek origin.]
Hercules [of Greek origin.]

< COGNATES IN OTHER LANGUAGES >
In satem languages
Sanskrit srusti "obediece"
--------------------------- 言葉の遺伝子 ---

 「(意識して) 聞く / 聴く」ことで listen と同義だが、今日では詩語・古語に分類されている。

List, list, O, list!
If thou didst ever thy dear father love.
< William Shakespeare, Hamlet 1:5 (Ghost to Hamlet) >
聴け、聴け、おお、聴け!
お前が父を敬愛してやまぬなら。


 古英語の listenhlysnan、listhlystan だから、-n- と -t- の相違しかなく、しかも同義であった。listen で、現代では発音しない -t- を綴るのは、list の影響によるものと説明されている。中英語では、listenenlisten の対立であり、中英語から近代英語になるときに動詞不定形要素 -en が抜け落ちる現象が起きたが、もし後者の方が使用頻度が高かったなら、現代英語では、list の方が日常的に使われていたかもしれない。おそらく、list が優勢にならなかったのは、同音異義語が多いことも一因であろう。
 梵語に見出せる近縁の語は「服従」の意味である。日本語でも「聞く」は「従う」のニュアンスで用いられることがある (例「親の言うことを聞く」)。
 上記のハムレットの亡霊が用いた list と同様に、listen にも「従う」というニュアンスが含まれることがある。

I came to give you some advice, to which you shall listen.
あなたにお伝えしたい助言がありますので参りました。(あなたが聞くべき [ie. 聞いて損のない / 従うべき) 助言を差し上げに参りました。)


Info

Tuesday, February 27, 2007

ablaut

--- WORD DNA -------
Abluat is a vowel change in related words (eg. lie - lay).

< ETYMOLOGY >
[19th c. from German; ab- "off" & Laut "sound." The technical term was coined by Jacob Grimm, 1819. Laud is related to loud. See also umlaut.]

< Decipherment in Japanese >
[外音] 「母音交換、母音階梯」
------------------------------

 単語の文法機能を決める「母音交換」のこと (eg. sing - sang - sung - song)。アプラウトは遺伝であり、親言語から子言語へと綿々と受け継がれている。sing は印欧祖語 *sengwh- 「歌う、呪文を唱える (to sing or make an incantation)」から発しているが、母音が -o- になると *songwho- で名詞となり、「歌、歌うこと (song)」の意味になる。(印欧祖語の gwh- は呼気を吐きながら唇を突き出す有声子音 g の音)
 アプラウトは動詞の時制の変化に対応している (eat - ate / drive - drove / take - took / give - gave) ものもあれば、品詞の相違に対応している (drink - drunkard / food - feed "to give food or eat" / long - length) ものもある。
 印欧祖語においては、O階梯 (O-grade / PIE *sengwh- のO階梯形は *songwho-)、ゼロ階梯 (zero-grade)、長音階梯 (lengthened grade) 等々が想定されている。
 ゼロ階梯形は、*es- "to be" の場合、*s- であり、この再建の根拠となっている語群は、梵語 asmi "I am" vs santi- "they are"、ゴート語 im vs sind、古教会スラブ語 esmi vs sotu などである。*es- の基本形は essence (PIE → Latin → English) に伝えられていて、ゼロ階梯分詞形 *sont- "becoming, existing" は、soothe (PIE → Germanic → English ) に伝えられている。(*es- を含む子孫に absent がある。absent は原義的に「不在、いない (being away)」ことを指すが、この ab- は ablaut の ab- と同源・同義であり、対応する祖語は *apo- "off, away" である。)
 アプラウトはアフロ・アジア語族にも認められていて、共通の祖々語ノストラティック (Nostratic) の探求者たちにインスピレーションを与えている。(研究社『英語語源辞典』巻末付録にはアフロ・アジア語根 slm "to be whole, sound" の母音階梯の例が紹介されている)
 アプラウトは日本語にもある。例えば、「め (目)」は接頭辞で用いられるとき、「まなこ、まぶた」で「ま」になるし、「て (手)」は「たむけ」で「た」になる。

Friday, February 23, 2007

akimbo

--- WORD DNA -------
Akimbo means "with (hands on hips and) ellbows turned outwards." and is used postpositively.

< Etymology >
[Middle English "in a sharp curve"; of unknown origin. Some claim that akimbo derives from Old Norse.]
----------------------------

 「(手を腰 (ie. 尻の上の方) にあてて) 曲げた肘を体の外側へと突き出して」いる状態。中英語では「鋭く曲がっている」状態を示していたが、それ以前は不詳。一説には古ノルド語から来たとされている。この説の裏付けとなるようなアイスランド語の同系語と目されるものも提示されている。また、「曲がる (to bow)」と同系とする説もある。
 この単語は名詞に後付けされる後置詞として用いられている。


The arms akimbo was often a sign of pride.
腰に両手をあてて両肘を突き出すのは大概自尊心のあらわれであった。

People may show defiance, anger, or frustration by standing akimbo.
人は腰に両手をあてる姿勢をとって、抵抗、怒り、あるいは、不満を示すのだろう。


Info

Tuesday, February 20, 2007

benji

 アメリカの俗語で「百ドル札」のこと。百ドル札の愛称「ベンジャミン」から。ベンジはベンジャミンの愛称で、百ドル札の肖像画がベンジャミン・フランクリン (Benjamin Franklin) であることに由来している。
What size mattress did you get for six benjies?
六百ドル払って手に入れたマットレスの大きさはどれくらいですか。
百ドル札の発行がはじまったのは一九一四年からである。

benji
[20th c. American-English slang, made up of the nickname for benjamin "100 US dollar bill"; benjamin and benji are sometimes spelt with the capital initial. Benji is also used for the nickname of the male forename Benjamin. So called because the portrait of Benjamin Franklin is depicted on the 100 dollar bill (first issued, 1914.)]

Friday, February 16, 2007

grok

 Merriam-Webster 配信の Word of the Day によると、「GROK は火星語に由来する唯一の英単語であろう」とのことである。ヴァレンタイン・マイケル・スミスは火星で育って、大人になってから地球に移住してきたが、その言葉の一つ grok は一九六〇年代からアメリカの若者のヴォキャブラリーになっていった。火星人スミスについては、ハインライン著の『異星の客』に記されている。
 意味は「深く (きちんと) 理解する、把握する、悟る」こと。


He wouldn't grok that you were joking.
彼は君にからかわれたんだなんて気づいちゃいないだろうね。

Browsers can easily grok your code.
ブラウザはその (ie. あなたの) コードを容易に把握します。

There are a lot of people who grok the XML thing.
XMLモノが何であるのかを知っている人は大勢いる。


grok
[20th c., from Martian (?) "to perceive, understand profoundly." According to Merriam-Webster's Word of the Day (Feb 16, 2007), "Grok may be the only English word that derives from Martian." The word entered the vocablary of the young in America, 1960s. Robert A. Heinlein REPORTS in Stranger in a Strange Land (1961) about Valentine Michael Smith who comes from Mars and speaks Martian on Earth... (or on the pages of the book only?) Earthlings learned, or learn, grok from him.]

Thursday, February 15, 2007

shark (2)

 初出は十六世紀末。動詞は名詞よりも文献初出がやや早く「がつがつ喰らう」ことを指す。名詞は「がつがつ喰らう人、ろくでなし、穀潰し」で、ドイツ語からの借用。「かき集める」は『ハムレット (Hamlet)』一幕一場に用例がある。
Horatio
... young Fortinbras...
Hath in the skirts of Norway here and there
Sharked up a list of lawless resolutes...
若きフォーティンブラスは・・・
ノルウェーの各地方のあちこちで、
無法者の荒くれどもの軍勢をかき集めたのだ。

 現代では脚注なしにシェークスピアの動詞用法はわからなくなっている。つまり、上記のような用法は廃用である。

 この単語はアメリカに渡った後、「達人、やり手」の意味になった。

What did she pay the poker shark?
彼女がポーカーの達人に支払ったものとは?

Maybe he's an incredibly talented pool shark.
まあ、あいつは突拍子もない才能をもったビリアードの達人ってことかな。


 一説によると、海を泳ぐ「シャーク」と同源である。

shark
[16th c., borrowed from German Schurke "scoundrel," meaning a "one who preys on others" (first written, 1599) or, in the verb use, "to gather hastily; to practice trickery; to snaek." Now, the word shark has an American slang sense "one who is good at a specified field; master, specialist." Some say this word is etymologically related to shark "any of various marine cartilaginous fishes." ]

shark

bibliographies
参考書籍

ハムレット シェイクスピア全集 〔23〕 白水Uブックス
Hamlet (Oxford World's Classics)
Shakespeare's Words: A Glossary and Language Companion

shark

 海に棲息する軟骨性の魚 (any of various marine cartilaginous fishes)、即ち、鮫のこと。
Sharks have no bones. A shark's skeleton is made up of cartilage.
鮫には骨がない。鮫の骨格は軟骨でできている。

The average life span of a shark is 25 years, but some sharks can live to be 100.
鮫の平均寿命は二十五年であるが、中には百歳まで生きるものもいる。

New teeth are constantly being formed in rows in a shark's jaw. Shark's teeth are normally replaced every eight days.
鮫の口の中では新しい歯が列をなして次々に形成されている。鮫の歯は通常八日周期で生え替わる。

A diver escaped a 10-foot shark attack.
ダイバーは十フィート (三メートル) の鮫の攻撃から逃げた。

How would you cut a shark in half?
With a sea-saw.
どうやって鮫を真っ二つに切りますか。
シーソー (seasaw = 海のノコギリ) を使って。


 語源は不明。鮫はヴァイキングが食していたことが知られているが、ゲルマン諸語に同系語はない。

 Norwegian: hai
 Swedish: haj
 Danish: haj
 Icelandic: hakarl
 German: Hai
 Dutch: haai

 上のリストを見るかぎり英語だけが異質である。では、語源的には数系統あると思われるロマンス諸語から来たのかというとそうでもない。

 French: requin
 Romanian: rechin
 (上記二語は同源であろう)

 Italian: squalo

 Spanish: tiburon
 Portuguese: tubaran
 (上記二語は同源であろう)

 鮫自体はどうかわからないが、それを指す言葉 (shark) をイングランドに初めて持ち込んだのはホーキンスが率いたアフリカ・西インド諸島探検隊であるとされている。一五六九年に標本の展示品を宣伝するビラに「なんと呼ぶのか見当もつかないが、ホーキンス船長と一緒だった乗組員はシャークと呼んでいる」と記されている。
 一説には「ならず者、ろくでなし」を指すドイツ語 ( Schurke ) からとする説もあるが、その英単語 ( See shark 2 ) は、動詞「貪り食う、詐欺を働く、かき集める」にしろ、名詞「詐欺師」にしろ、一五九〇年代が初出で、名詞 (初出は一五九九年) では三十年も遅く出現した。従って定説には至っていない。

shark
[16th c., probably first written on a handbill advertising an exhibition of the specimen (1569): "There is no proper name for it that I knowe, but that sertayne men of Captayne Haukinses doth call it a 'sharke' ." The origin is unknown, but some etymologists explain that this word is related to another shark (See shark 2).]

shark2

Monday, February 12, 2007

Paracelsus

 パラケルススはスイスの錬金術師・医師のホーヘンハイムが自らに付けた名。一世紀のギリシャの医者・著述家「ケルソス (Celsus) を越える (para-)」を暗示している。パラケルススによれば、人体は四大元素によって構成されているが故に、物質の研究・錬金術は医術に応用できる。
 Para- を含む主な英単語は以下のとおり。

English word
代表的和訳語
[original Greek sense = ギリシャ語原義の直訳的和訳語]

parable
喩え話
[putting beside = 並列]

paradigm
範例、模範
[showing beside = 並べて見せるもの]

paradox
異端、矛盾、逆接、パラドクス
[beyond or against the opinion = 超見解、反対意見]

paragon
模範、逸品、琢磨
[rubbing against = 琢磨]

paragraph
段落、箇条書き
[written beside = 添え書き]

parallel
平行
[beside one another = 互いに並んでいること]

paralysis
麻痺
[loose beside [ie. on one side] = "一方が利かなくなっている]

paramount
卓越、パラマウント (固有名詞 Paramount)
[over the mountain" = 超山 [ie. 山頂] ]

paranoia
偏執狂、パラノイア
[beyond the mind = 心 [ie. 理性] を越えていること]

paraphrase
意訳、パラフレーズ
[telling in other words = 言い換え]

parasite
居候、食客、寄生虫、パラサイト
[over food = 食べ物の上を覆う]

 パラシュート (parachute) とパラソル (parasol) の「パラ」は、ラテン語で「護る、防ぐ (from parare "to prepare" 整える、備える)」が原義である。

Paracelsus
[Swiss physician & alchemist Theophrastus Bombastus von Hohemheim (c1493 - 1541) called himeself Paracelsus, implying that he was superior to Celsus, 1st-century Greek author & physician. Para- in Greek means "beyond, beside." PIE per- "forward, through" ]

Monday, February 05, 2007

zaibatsu

 「財閥」は日本語から。一八六八年の明治維新後に台頭し始めた一族支配の大企業集団。一つのグループが鉱山事業、織物製造、造船、貿易、銀行業などを一手に引き受け、第一次世界大戦期に躍進、軍閥に対抗しながら、政界と深い繋がりを保ち続け、大日本帝国の植民地の一部では半官的存在として君臨していたが、第二次大戦の日本敗戦の後、連合軍によって解体された。英語に借入されたのはGHQ時代である。解体された後も、旧財閥は個別の企業が互い助け合う体制を維持し、「系列 (keiretsu)」に姿を変えて、戦後復興の一役を担った。


The military men were hostile to the zaibatsu which dominated the economy.
軍は経済を支配する財閥に敵対していた。

In the meantime, zaibatsu firms came to the fore, and eventually the military-zaibatsu coalition led the country into a catastrophic war.
この時代に財閥が頭角を現し、その結果的として、軍と財閥が衝突、国に悲惨な戦争をもたらした。

However, the split zaibatsu firms regrouped themselves into a new form of business groups, called keiretsu, without zaibatsu families.
それでも、ちりぢりにされた財閥企業群は、同族支配をやめて、系列と呼ばれる新たなビジネス集団を再編成した。


 韓国には系列に類似する企業集団があり、それを"チェボル" (財閥) という。


The zaibatsu and the chaebol are both family-owned and family-managed.
財閥とチェボル (財閥) は共に一族によって所有され、一族によって経営されている。


zaibatsu
[20th c., borrowed from Japanese, compound formed by zai (財) "wealth, business, finance, money" & batsu (閥) "clan, clique"; both characters come from Chinese. Akin to Korean chaebol (財閥).]

Thursday, February 01, 2007

Pluto

 プルトー (ン) は、ギリシャ神話の黄泉の国の神。ギリシャではハデス (Hades) ともいうが、ローマ人はプルトーを借入した。
 プルトーンの名は英語 flow と同源である。印欧祖語「流れる」から、ギリシャ語で「溢れ出る、充溢」ができ、「富、豊饒性」に発展した。黄泉の国は地下にあるとされていたが、大地は地上の人々に様々な恵みを与えてくれるので、原義的にいって、「(地下から) 恵み (ie. 豊かさ) を与えてくれるもの」が、プルトーンであった。一年のうち三分の一の間、緑が消え去り、冬が訪れるのは、デメテルが働かなくなるからであるが、それはデメテルの娘ペルセポネがその間、黄泉の国のプルトーンに囚われの身となっているからである。
 プルトーンと近縁の単語としては、「プルトニウム (plutonium)」、「金権政治 (plutocracy)」、「金権政治家 (plutocrat)」などがあり、ほかに地質学用語があり、例えば、「雨成の (pluvial)」は、ラテン語「雨が降る (pluere: to rain)」から来た単語で、一見、プルトーンとは無縁に思えるが、大元の祖語は同じである。
 「冥王星」の初出は一九三〇年。古代オリエント・エジプト・ギリシャ・ローマにおける星は神であり、それが現代英語でも生きている (eg. Mercury, Venus, Mars, Jupiter, Saturn) が、近代以降、冥王星に先立って発見されていた二つ惑星 (Uranus, Neptune) にも神の名が与えられていたので、必然的に「第九惑星」にも神の名が与えられることになった。
 冥王星の存在は、海王星の軌道の微妙なずれから予言されていたが、その予言者にして探求者の一人にアメリカ人天文学者ロウウェル (Percival Lowell) がいた。ロウウェル自身は「謎の第九惑星」を発見できずに生涯を閉じたが、後継者のトンボーが計画を成就させた。


On February 18, 1930, Tombaugh discovered planet nine, later named Pluto.
一九三〇年二月十八日、トンボーは、のちに冥王星と名付けられる、第九惑星を発見した。


 名称の候補は他にもあったが、Pluto と命名されたのは、先駆者 Percival Lowell の頭文字 PLを活かして、太陽から最も遠い (ie. 地下の神プルトーのように、暗いところにいる) 星という連想からである。
 冥王星は長らく惑星の地位にあったが、その軌道周辺に数多くの小天体が発見されるようになると、冥王星はその代表的存在と位置づけられるようになり、二〇〇六年にはついに、国際天文学連合 (International Astronomical Union) によって「惑星」の定義が提唱・承認され、定義に当てはまらない冥王星は即座に「惑星ではない」と位置づけられ、dwarf planet (正式な和訳語はまだ決定していない) に分類された。発見された dwarf planets の中で冥王星よりも大きいものとしては、(136199)エリス (Eris) がある。
 天体の事件は地上に影響を及ぼす。米語で pluto が動詞化して「降格する」になり、その過去分詞形 plutoed が、米語方言協会 (American Dialect Society) によって、「二〇〇六年の言葉」に選定されたのである。


“Plutoed” Voted 2006 Word of the Year
< www.americandialect.org >
「Platoed (降格された)」、投票で二〇〇六年の言葉に


 ちなみに IAU による惑星や dwarf planett の定義は以下のようなものである。


A "planet" is a celestial body that (a) is in orbit around the Sun, (b) has sufficient mass for its self-gravity to overcome rigid body forces so that it assumes a hydrostatic equilibrium (nearly round) shape, and (c) has cleared the neighbourhood around its orbit.
(footnote)
The eight "planets" are: Mercury, Venus, Earth, Mars, Jupiter, Saturn, Uranus, and Neptune.
「惑星」とは、(a) 太陽周回軌道上にあり、(b) それ自体の重力が個体にかかる諸力を圧倒するのに十分な質量を有していて重力平衡 (ほとんど球) 体を保ち、(c) 軌道上付近の細かな物体を一掃した天体のことである。
(脚注)
「惑星」は、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の八つである。

A "dwarf planet" is a celestial body that (a) is in orbit around the Sun, (b) has sufficient mass for its self-gravity to overcome rigid body forces so that it assumes a hydrostatic equilibrium (nearly round) shape, (c) has not cleared the neighbourhood around its orbit, and (d) is not a satellite.
「dwarf planet」とは、(a) 太陽周回軌道上にあり、(b) それ自体の重力が個体にかかる諸力を圧倒するに十分な質量を有していて重力平衡 (ほとんど球) 体を保ち、(c) 軌道上付近の細かな物体を一掃していない、 (d) 衛星ではない天体のことである。


Pluto
[Middle English, borrowed from Latin, borrowed from Greek Plouton (Ploutodotes) "giver of riches", made up of ploutos "wealth, riches" (originally, "overflowing"), from Proto-Indo-European *pleu- "to flow". The first usage in English is the name for the god of the underworld in Greek and Roman mythology. At the beginning of the 20th c., American astronomer Percival Lowell made calculations where an unseen "ninth planet" might be, and, with his colleagues, made telescope sweeps of that area, but they couldn't find it until his death, 1916. Lowell's successors installed a new telescope in Flagstaff, Arizona, and appointed Clyde Tombaugh to continue the search. In 1930, his team found the "ninth planet" and it was named after the initials of Percival Lowell and the Roman god as the lord of darkness (Pluto was considered the furthest planet from the sun at that time) and giver of wealth. In 2006, the General Assembly of International Astronomical Union established the definition of a planet that didn't categorize Pluto as a planet. They classified it as a dwarf planet, which was the new technical term coined then. After that, the verb pluto appeared in American English which means "to devaluate (someone or something)".

Sunday, January 28, 2007

gnome

 スイス生まれの放浪の医師・錬金術師パラケルススが定義したところによると、ノウムは奇形で年を取らない地の精である。
 ゲルマンの民間伝承における起源はパラケルススよりも古いかもしれない。なぜなら、パラケルススの完全な独創としている資料は見あたらないからである。ノウムは、様々な伝承によれば、人が地上を容易に歩けるように、地中を容易に進むことができ、円錐状のとんがり帽子をかぶっていて、地表に出て日光を浴びると石になってしまう。


Man walks on the earth, the bird flies in the air, the fish swims in the water, and the gnome lives within the earth.
人は地表を歩き、鳥は空を飛び、魚は水中を泳ぎ、ノウムは地中に暮らしている。


 文献に頻繁に登場するようになったのは十九世紀からで、主にドイツやスウェーデンのおとぎ話に描かれ、グリム童話では、地中のお宝を守っていることから、地下金庫を設けて金融市場を動かすスイスの銀行家を指す「チューリッヒのノウム (gnomes of Zurich)」なるイディオムが出来ている。
 語源の最有力説はギリシャ語の「地人」を指す *genomos (*は再建形の意) だが、パラケルススの造語と確定的には扱われていないから、何故、ゲルマンのフォークロアにギリシャ語が絡んでいるのかは考察しなければならない。(ギリシャ語 geo, ge は earth に対応する。eg. geology「地質学」)
 もう一つの説も、ギリシャ語に由来しているというもので、英語では同音異義語になる「箴言、金言 (gnome)」と血の繋がりがある「知識 (gnosis)」からだとしている。しかし、もしかすると、忘却の彼方にあるゲルマン語から出来た単語かもしれない。妖精は魔法を使うから、博識である。この点で、印欧祖語「知ること (*gno-)」が究極の源である可能性はゼロではないだろう。とすると、あまり信憑性のないギリシャ語 gnosis 由来説の方が、的に近いのかもしれない。ギリシャ語 gnosis は、英語 know と同様に、印欧祖語 *gno- の子孫である。



gnome
[18th c., from French, from Modern Latin, No one knows when the original gnome of the Germanic-speaking world was born; the various kinds of gnomes are now known, however. Some Germanic alchemists sauced their own sprites for their taste with the Rosicrucian system (or pre-Rosicrucian system?) in the Middle Ages. And a wandering Swiss alchemist & physician Paracelsus (c1493 - 1541) finally defined the creature as an elemental being dwelling in the earth, ageless and deformed. Most of etymologists think that he coined the technical Latin term gnomus from a reconstructed Greek term *genomos "earth dweller". Some claim that it may have been based on Greek gnosis "knowledge" whose ancestors are gnome "maxim, proverb" & gnomic "proverbial, witty". Generally in written fairy tales, which began appeared in the 19th c, Gnomes, sprites wearing conical hats, have magical power to make people happy or sad, and guard treasure in the earth. In the 20th c., a phrase gnomes of Zurich came up in the English vocabulary that means the "bankers of Zurich" (Learn more at the article on Brewer's).]


Check:
Brewer's Dictionary of Phrase & Fable


Related terms:
Paracelsus
undine
sylph
salamander
Rosicrucian

Wednesday, January 10, 2007

wunderkind

 ドイツ語からの借用語で"ヴンダキント" のように発音する。字面をなぞれば、「素晴らしい子供」で、「神童」の意味。派正義は「若くして成功をおさめた人、青年実業家」。

"We came from Berlin in 1933" she said, then added reluctantly, "I was a wunderkind from the time I was four and acted in Berlin."
「一九三三年にベルリンから引っ越してきたの」と言ってから彼女は、気の進まない様子で付け加えた。「四歳からベルリンで活動していたけど、わたし、神童だったのよ」


wunderkind
[late 19th c, from German Wunder "wonder" & Kind "child." The first English sense is a "child prodigy"; & the derivative, "one who succeeds at an early age." See wonder.]

private note:
PIE root, uncertain.

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