Tuesday, June 06, 2006

pidgin

pidgin

ピジン。混成語。
異なる言語を話す民族間で使用される
語彙・文法が簡素な話し言葉。
言語の異なる人々の接触によって発生する。
「ピジン」の歴史は十九世紀初頭の中国広州ではじまる。
「ピジン」は「ビジネス」の中国訛である。
音の変遷は以下の通り。

 business → bigeon → pigeon → pidgin

b- が p- になったのは、中国人にとっては
その方が発音しやすいからだろうし、
有気も無気も、中国人が発音する閉唇音は
英語話者には p と聞こえるからかもしれない。
 (中国語には有声閉唇音の b- はない。
 ピンインの b は、英語の b と異なり、
 無気無声閉唇音であり、清音と呼ばれている。
 ピンイン bi は日本語の「ビ」でもない。)
やがて、中国の「ピジン英語」は、
単に「ピジン」と呼ばれるようになる。
ピジンの語彙は少なく、文法はシンプルである。

 Chinese Pidgin English has only 700 words.
 < Merriam-Webster Word of the day,
 Jul 2, 2005 >
 中国のピジン英語には七百語しかない。

語彙には、英語や中国語以外から由来した単語もある。

 Of Portuguese origin were such words as
 mandarine, from mandar, meaning to order;
  compradore , from compra , to buy;
  maskee , from masque , never mind.
 Of Indian origin were bazaar , a market;
  schroff , a money-dealer; go-down , a corruption of
  ka-dang , a warehouse; lac , one hundred thousand:
 and cooly (coolie), a laboer.
 < The Rise of Modern China,
 by Immanuel Chuang-Yueh Hsu, 1970 >
 ポルトガル語由来の単語には、mandar からきて
 命令するを意味する mandarin や、
 compra からきて買うを意味する compradore、
 masque からきて、気にしないを意味する maskee
 などがある。インドの言葉からは、市場を意味する
 bazaar、為替商を意味する schroff、
 倉庫を意味し、ka-dang の転訛である go-down、
 十万を意味する lac、そして、労働者を意味する
 cooly (coolie) がある。

ピジン言語は土着化して、ある地方の人々の
日常言語になることがある。
その種の言語はクリオールと呼ばれている。
日本でも十九世紀に小笠原諸島でピジンが
発生し、「クリオール化した」といっても
差し支えないような現象が起きていた。

 pidgin
 [19th c., cut off from a phrase pidgin English.
 The word pidgin is derived via pigeon
 (slightly earlier, bigeon ) from business .
 This "business" English was born in
 the South China city of Guangzhou.
 Pigeon (corruption of "business";
 not related to pidgeon as a bird) means
 "interest of one's business, etc."]
 a kind of lingua franca;
 international (business) common speech
 used by people who speak different mother tongues.
 Sometimes a pidgin becomes a native language
 of a group of people. See also Creole.

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Creole
lingua franca

Abbreviations

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